かあさんのつぶやき

90歳のおばあちゃん

富子は、もうすぐ70歳になる。

明るい日差しの春の午後、一人散歩をしていたら、しばらく見なかったおばあちゃんが、ひょこひょこ杖をついて歩いてくる。

「しばらくぶりね、元気だった?」

「ほんとにみんなこの辺の人、いなくなっちゃうね」

「そうそう、老人ホームに入ったり、亡くなったりねー」

「ところで、杖どうしたの?」

人はいくつになっても、自分の話をするのがお好き。
気の合う仲間同士のように、立ち話を始めた。

カナさんは、90歳になる独居老人。一人暮らしながらも、近所の人たちと仲良く、元気で過ごしていた。そんなある日、カナさんは自宅で転倒し、股関節を骨折してしまう。すぐに病院に運ばれ、手術を受けた。手術は成功したが、しばらくは歩行が困難になり、リハビリが必要となった。

カナさんは、退院後、介護施設に入所することになった。慣れない施設での生活は、カナさんにとってストレスだった。しかし、リハビリに懸命に取り組み、徐々に歩けるようになっていった。そんなカナさんを支えてくれたのは、近所の人たちだった。

毎日のように、近所の人たちが施設を訪れ、カナさんに励ましの言葉をかけたり、一緒に散歩したりした。カナさんは、近所の人たちの温かさに、何度も勇気をもらった。

リハビリを始めて数ヶ月後、カナさんはようやく自宅に戻れることになった。退院の日、近所の人たちは、カナさんのために盛大な送別会を開いてくれた。

「今までありがとう。これからも元気でね。」

近所の人たち一人一人に、カナさんは感謝の気持ちを伝えた。

自宅に戻ったカナさんは、以前のように一人で生活することは難しかった。しかし、近所の人たちの助けを借りながら、カナさんは再び充実した生活を送るようになった。

ある日、カナさんは近所の人たちと、近くの公園で花見をしていた。満開の桜を眺めながら、カナさんはしみじみと語った。

「こうして桜を見られるのも、みんなのおかげよ。本当にありがとう。」

近所の人たちは、カナさんの笑顔を見て、嬉しそうに笑った。

カナさんは、90歳という年齢で、股関節を骨折し、手術という大きな試練を乗り越えた。しかし、近所の人たちの温かい支えによって、カナさんは再び希望を見つけることができた。

「転んだ時、連絡できてよかったね」

「(((ｕдｕ*)ｩﾝｩﾝ、友達が一緒だったからね」

ご主人をなくされたのが、5.6年前。

あれから彼女は急に年を取り始めた。

道路の点字のブロックで転んでしまったり、家の中で敷居につまずいて箪笥とぶつかったり。

彼女が一日でも長く、幸せに暮らせますように。

カナさんの物語は、私たちに大切なことを教えてくれる。それは、年齢や境遇に関係なく、人は誰しも助け合い、支え合いながら生きていくことができるということである。

富子は、カナさんの話を聞きながら、複雑な気持ちだった。

カナさんは、90歳という年齢で、股関節を骨折し、手術という大きな試練を乗り越えた。しかし、近所の人たちの温かい支えによって、カナさんは再び希望を見つけることができた。

一方、富子は70歳を目前にして、孤独を感じていた。子供たちは独立して遠くに住んでいる。近所付き合いもほとんどなく、日々の生活は単調だった。

カナさんの話を聞いて、富子は自分の人生を振り返った。これまでの人生、仕事や子育てに追われ、自分自身のことを大切にしてこなかったように思えた。

「私も、もっと人と関わって、充実した生活を送りたい。」

富子は、カナさんのように、周りの人に支えられながら、明るく前向きに生きていくことを決意した。

翌日、富子は思い切って、近所の自治体主催のラジオ体操に参加してみた。同年代の人たちと体を動かしたり、おしゃべりを楽しんだりした。

富子は、久しぶりに人と交流することで、心が弾むのを感じた。

「前にも毎日着てたんだけどね。」

富子は、これからの人生を、より積極的に生きていくことを誓った。

カナさんの物語は、富子に生きる勇気を与えた。年齢や境遇に関係なく、人は誰しも助け合い、支え合いながら生きていくことができる。

富子は、カナさんへの感謝の気持ちを胸に、新たな一歩を踏み出した。