かあさんのつぶやき

春秋花壇

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ホットケーキが笑ってる

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ホットケーキが笑ってる
70歳の富子

富子は、一人暮らしの70歳の女性。夫は数年前に亡くなり、子供たちは独立して遠くに住んでいる。寂しさを感じながらも、日々の生活を丁寧に過ごしていた。

ある日、富子はいつものように朝食の準備をしていた。フライパンでホットケーキを焼いていると、ふとそのホットケーキが笑っているように見えた。気のせいだと思い目を凝らすと、確かに口角が上がり、微笑んでいるように見える。

「あら不思議」

富子は驚きと好奇心でいっぱいになった。なぜホットケーキが笑っているのか、その理由は分からなかった。しかし、その笑顔はどこか温かく、富子の心を和ませてくれた。

ホットケーキとの会話

富子は、ホットケーキに話しかけてみた。

「ねぇ、どうして笑っているの?」

ホットケーキは何も答えない。しかし、その笑顔はさらに大きくなったような気がした。

「何か嬉しいことでもあるの?」

富子は、ホットケーキに自分の気持ちを話してみた。夫が亡くなったこと、子供たちが遠くに住んでいること、そして一人暮らしの寂しさ。

ホットケーキは、じっと富子の話を聞いていた。そして、聞き終えると、さらに優しく微笑んだ。

心の変化

ホットケーキと話すことで、富子の心は不思議と軽くなった。一人で抱え込んでいた寂しさや不安が、少しずつ消えていく。

「ありがとう、ホットケーキ」

富子は、ホットケーキに感謝の気持ちを伝えた。

嬉しくて楽しくて、ずーと話をしていたら、ホットケーキは焦げちゃった。

アウチ><

それでもホットケーキは笑ってる。

食べてみると、

「あれあれー」

外側は、かりっと香ばしく、中はふんわり卵色。

ちょっぴりほろ苦くて、ほんのり甘い。

マーガリン入れすぎちゃったのかな?

富子の料理はいつもテキトー。

お菓子作りには致命的。

ホットケーキは、消えていく。

今度は富子が笑ってる。

ホットケーキ感染症。

明日は、メイプルシロップ買ってこようかな?

ハチミツがいいかな?

お腹の中で、ホットケーキが笑ってる。

ホットケーキおいしいね。

その後

その日以来、富子は毎朝ホットケーキを焼くようになった。ホットケーキは、いつも笑顔で富子を迎えてくれる。

富子は、ホットケーキと話すことで、孤独ではなくなったと感じていた。ホットケーキは、富子にとって大切な存在になっていた。
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