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27 ミシェルの謁見

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▫︎◇▫︎

 謁見許可は案の定簡単に出た。というか、無表情のエミリーが皇帝を連れて帰って来たのだ。

「帝国の太陽にご挨拶申し上げます。朝からお越しいただき、至極光栄にございます」
(えぇー!?陛下来ちゃったよ!いきなり過ぎるでしょう!!というか、なんでセレスはこんなに平然としていられるの!?)
「挨拶はよい、今は皇帝ではなくお前の父親だ。セレス」
「分かりました、父上」

 いきなりの謁見でも、大慌てなミシェルと違い、セレスティアが慌てることはなかった。定型通りの挨拶を定型通りのに行い、そして一蹴された。

「で?何用だ」
「わたしとミシェルの婚約についてです。書類に一筆いただきたく存じます」

 唯我独尊という言葉がぴったりに見えるセレスティアに、ミシェルは憧れを覚えた。

「………ミシェル・ライバード!」
「は、はいっ!」
(呼ばれたよ、呼ばれちゃったよ!!これって、『娘はやらん!!』とかって言われるパターンだよね!?どうしよう!僕、セレスと一緒にいたいのに!!)
「何があっても、お転婆なこの子セレスティアをどうか捨てないでやってくれ。見捨てないでやってくれ。ちょっと男勝りで気の強い子だが、決して悪気があるわけでもない。暖かく見守ってやってくれ」
「………は、はい?………………お、恐れながら、捨てられるとしたら無能でうじうじしていて弱虫な僕だと思うのですが………」

 頭を下げて頼み込む皇帝に、ミシェルはこんがらがっていた。思っていた結末と違っていることもあるのだろうが、自分がセレスティアのことを捨てるなど考えられなかったからだ。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

『あの、……どなたでしょうか?』

という作品が本編完結いたしました。短編ですので、もしよろしければ読んでやってください(๑>◡<๑)
紹介文としましては、

「キャサリン・ルーラー
 爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」

見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………

「あの、……どなたのことでしょうか?」

まさかの意味不明発言!!

今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!

結末やいかに!!

です。
よろしくお願いいたします(*≧∀≦*)


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