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女装と復讐 -完結編-
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あぁ…ドジョウを救えなかった昨日のことが、まだ頭ん中にぼんやりと…。
…って、今日は8月11日。時刻は午後0時32分。場所はファミレス。ナオさんと一緒に。
2、3分ほど前に、注文したランチセットがやっと来て、今さっき食べはじめたところ。
ナオさんは、今は物静かに食べることに集中してる。だから今は会話はない。
ドジョウ…ほんとごめんな…。
僕は本当に、本気で彼を救ってあげるつもりだったんだ。
けれど僕が詩織を連れて、君の目の前に現れてしまったばかりに…。
詩織が僕と交わした《黙って見守ってくれる》って約束を破って…というか、もう黙ってなんかいられなくなったらしくて…そして《あの一言》を詩織が言ってしまったから…。
ドジョウを救うどころか…始まったばかりだろうドジョウの《声掛けライフ》に終止符を打つ…詩織が《トドメを刺す》結果になってしまった…あぁ。
救うはずが…トドメの一言…。
…僕はランチセットに付いてきたミニサラダのキャベツの千切りを、ざくっとフォークで刺し、ゆっくりと口へと運んだ…。
『…金魚ちゃん?』
『えっ!?あ…はい』
物思いに耽っていた僕は、びっくりしてナオさんを見た。
『どうしたの?あまり食が進んでないみたいだけど…』
『えっ、あ…いや…』
『やっぱり…ちょっと疲れ気味なんじゃないの?』
僕は慌ててざくざくとキャベツの千切りをフォークで刺し、どんどんと口の中へと押し込む。
そして一気にゴクリと飲み込んだ。
『…っはーぁ。ほ、ほら…食欲ありますし、大丈夫です。ちょっとだけ考え事をしてただけですので…』
僕は《午後からも、ちゃんと働ける》ことを猛烈にアピール。
ナオさんはにこりと、僕に軽く笑顔を見せた。
『考え事…鈴ちゃんの所属する芸能事務所のお偉い方が来るっていう…14日の夕方のこと?』
ん?14日の…?
ええっ!?なにそれ!!
そんな話、僕…全然聞いてない!初耳なんですけど…!!
僕は『あ…はい。そ、そうです…』と、ナオさんに適当な一言を返しながら…ってナオさん、ごめんなさい…。
そしてナオさんと一緒にファミレスを出て…ナオさんの化粧品店へと戻ってきた。
14日の件?…アンナさんからの情報?…もしくは詩織から?
『きーんぎょ♪』
午後3時9分。詩織が化粧品店に来店。
詩織…今日はなんだか普段より機嫌が良さそう。
片付けを手伝ってくれながら、笑顔のままの詩織は僕に声を掛けてきた。
『ねぇ金魚…』
『うん…なに?』
僕は片付けの手を止め、詩織を見て次の一言を待った。
『実は…14日の夕方なんだけどね…』
…!
…って、今日は8月11日。時刻は午後0時32分。場所はファミレス。ナオさんと一緒に。
2、3分ほど前に、注文したランチセットがやっと来て、今さっき食べはじめたところ。
ナオさんは、今は物静かに食べることに集中してる。だから今は会話はない。
ドジョウ…ほんとごめんな…。
僕は本当に、本気で彼を救ってあげるつもりだったんだ。
けれど僕が詩織を連れて、君の目の前に現れてしまったばかりに…。
詩織が僕と交わした《黙って見守ってくれる》って約束を破って…というか、もう黙ってなんかいられなくなったらしくて…そして《あの一言》を詩織が言ってしまったから…。
ドジョウを救うどころか…始まったばかりだろうドジョウの《声掛けライフ》に終止符を打つ…詩織が《トドメを刺す》結果になってしまった…あぁ。
救うはずが…トドメの一言…。
…僕はランチセットに付いてきたミニサラダのキャベツの千切りを、ざくっとフォークで刺し、ゆっくりと口へと運んだ…。
『…金魚ちゃん?』
『えっ!?あ…はい』
物思いに耽っていた僕は、びっくりしてナオさんを見た。
『どうしたの?あまり食が進んでないみたいだけど…』
『えっ、あ…いや…』
『やっぱり…ちょっと疲れ気味なんじゃないの?』
僕は慌ててざくざくとキャベツの千切りをフォークで刺し、どんどんと口の中へと押し込む。
そして一気にゴクリと飲み込んだ。
『…っはーぁ。ほ、ほら…食欲ありますし、大丈夫です。ちょっとだけ考え事をしてただけですので…』
僕は《午後からも、ちゃんと働ける》ことを猛烈にアピール。
ナオさんはにこりと、僕に軽く笑顔を見せた。
『考え事…鈴ちゃんの所属する芸能事務所のお偉い方が来るっていう…14日の夕方のこと?』
ん?14日の…?
ええっ!?なにそれ!!
そんな話、僕…全然聞いてない!初耳なんですけど…!!
僕は『あ…はい。そ、そうです…』と、ナオさんに適当な一言を返しながら…ってナオさん、ごめんなさい…。
そしてナオさんと一緒にファミレスを出て…ナオさんの化粧品店へと戻ってきた。
14日の件?…アンナさんからの情報?…もしくは詩織から?
『きーんぎょ♪』
午後3時9分。詩織が化粧品店に来店。
詩織…今日はなんだか普段より機嫌が良さそう。
片付けを手伝ってくれながら、笑顔のままの詩織は僕に声を掛けてきた。
『ねぇ金魚…』
『うん…なに?』
僕は片付けの手を止め、詩織を見て次の一言を待った。
『実は…14日の夕方なんだけどね…』
…!
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