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女装と復讐 -街華編-
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そして《おばタク》は、いつもの新井早瀬駅前の定位置に停まった。
『岡ちゃん、行ってきます』
ドアを丁寧に開けてくれた岡ちゃんにそう言って、僕は《おばタク》の車内から降りた。
ゆっくりと走り去る《おばタク》。
いつものように立ち止まり、集まった瀬ヶ池の女の子たちだったけど…降りたのが金魚だけなのを目の当たりにすると…女の子たちは声も出せずに驚いてる様子。
「…えっ!?…金魚ちゃん、今日は一人なの!?」
「詩織ちゃんは!?」
…さぁて。ここに長居してても仕方ないし、とりあえずどこ行こうか…。
…僕は考え、今ふと思い出した。
そういえば、もうすぐ5月14日…つまり詩織の誕生日…。
そうだ。詩織の誕生日プレゼントを探して、瀬ヶ池の街を散歩するのもいいかも。
そうと決まれば、じゃあ…久しぶりに《PARCO早瀬ヶ池店》にでも行ってみようかな…。
「金魚ちゃーん♪」
「今日はなんで1人なの?」
『えっ?』
ぼーっと立ち止まってた僕に声を掛けてきた、何処からか来た2人の女の子。
『うん。詩織がもうすぐ誕生日だから、どんなプレゼントにしようかなーって。1人で選びにね…』
「あははは。なるほどねぇ」
「詩織ちゃんの誕プレ探し、頑張ってねー」
『はーい。ありがとう』
女の子たちは僕に笑顔で小さく手を振って、そのまま行き去った。
さて…と。じゃあ僕もそろそろ行こう…。
…PARCOに到着。相変わらず女の子たちには「なんで今日は1人なのー?」って声を掛けられまくるけど…もう面倒になって、返すのは愛想笑いだけ。
うーん…何をプレゼントしようかな。
帽子?靴?バッグ?…詩織はどれもたくさん持ってそうなイメージだから、ほんとに迷う…なんて色々考えたけど、僕の頭ん中では、なんとなく『洋服でもいいかな…』なんて思ったり。
PARCOに入ってすぐ、館内案内図を探して1階をウロウロキョロキョロ…あった!
えぇと…レディースファッションフロア…えっ?…1階から6階まであるんだっけ!?…って広っ!!
…そっか。はーぁ。
疲れそうだけど、1階から6階まで昇りながら全階…見て回ろうか…。
まずは広い広い1階を見ながら一周し、エスカレーターで2階へ。
2階も同じように、一周見回ってから3階へ。
そのエスカレーターに乗ってすぐ…。
『…ん?』
ふと背後に…誰かに見られてるような、そんな気配を感じて振り返った…けど、僕の後ろにいたのは、普通の高校生カップル。
『あ…ごめんなさい』
そのカップルと目が合ったから、僕は慌てて謝った。
いや…違うんだ。ほんとに誰かに見られてる…って感じたんだけど…。
やっぱり気のせいだったのかな…。
…とりあえず6階までの全階は回った。
んまぁ…本当はPARCOは5階からメンズフロアもあって、最上階は8階まであるんだけど。
それにしてもショートパンツって、ミニスカートなんかに比べたら凄く楽だ。エスカレーターに乗るとき、お尻を押さえて隠さなくてもいいから…って意味で。
今まで見てきた洋服の店舗を思い出す…どの階のどのお店が一番印象良かったか…な……えっ!?
『岡ちゃん、行ってきます』
ドアを丁寧に開けてくれた岡ちゃんにそう言って、僕は《おばタク》の車内から降りた。
ゆっくりと走り去る《おばタク》。
いつものように立ち止まり、集まった瀬ヶ池の女の子たちだったけど…降りたのが金魚だけなのを目の当たりにすると…女の子たちは声も出せずに驚いてる様子。
「…えっ!?…金魚ちゃん、今日は一人なの!?」
「詩織ちゃんは!?」
…さぁて。ここに長居してても仕方ないし、とりあえずどこ行こうか…。
…僕は考え、今ふと思い出した。
そういえば、もうすぐ5月14日…つまり詩織の誕生日…。
そうだ。詩織の誕生日プレゼントを探して、瀬ヶ池の街を散歩するのもいいかも。
そうと決まれば、じゃあ…久しぶりに《PARCO早瀬ヶ池店》にでも行ってみようかな…。
「金魚ちゃーん♪」
「今日はなんで1人なの?」
『えっ?』
ぼーっと立ち止まってた僕に声を掛けてきた、何処からか来た2人の女の子。
『うん。詩織がもうすぐ誕生日だから、どんなプレゼントにしようかなーって。1人で選びにね…』
「あははは。なるほどねぇ」
「詩織ちゃんの誕プレ探し、頑張ってねー」
『はーい。ありがとう』
女の子たちは僕に笑顔で小さく手を振って、そのまま行き去った。
さて…と。じゃあ僕もそろそろ行こう…。
…PARCOに到着。相変わらず女の子たちには「なんで今日は1人なのー?」って声を掛けられまくるけど…もう面倒になって、返すのは愛想笑いだけ。
うーん…何をプレゼントしようかな。
帽子?靴?バッグ?…詩織はどれもたくさん持ってそうなイメージだから、ほんとに迷う…なんて色々考えたけど、僕の頭ん中では、なんとなく『洋服でもいいかな…』なんて思ったり。
PARCOに入ってすぐ、館内案内図を探して1階をウロウロキョロキョロ…あった!
えぇと…レディースファッションフロア…えっ?…1階から6階まであるんだっけ!?…って広っ!!
…そっか。はーぁ。
疲れそうだけど、1階から6階まで昇りながら全階…見て回ろうか…。
まずは広い広い1階を見ながら一周し、エスカレーターで2階へ。
2階も同じように、一周見回ってから3階へ。
そのエスカレーターに乗ってすぐ…。
『…ん?』
ふと背後に…誰かに見られてるような、そんな気配を感じて振り返った…けど、僕の後ろにいたのは、普通の高校生カップル。
『あ…ごめんなさい』
そのカップルと目が合ったから、僕は慌てて謝った。
いや…違うんだ。ほんとに誰かに見られてる…って感じたんだけど…。
やっぱり気のせいだったのかな…。
…とりあえず6階までの全階は回った。
んまぁ…本当はPARCOは5階からメンズフロアもあって、最上階は8階まであるんだけど。
それにしてもショートパンツって、ミニスカートなんかに比べたら凄く楽だ。エスカレーターに乗るとき、お尻を押さえて隠さなくてもいいから…って意味で。
今まで見てきた洋服の店舗を思い出す…どの階のどのお店が一番印象良かったか…な……えっ!?
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