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第4章 冒険 -王都編-
クラン
しおりを挟む食事会の日。
その日は、俺とクリスさんとノエルさんでアイゼンの幻陽のパーティーハウスへ行き、フォルティスさんを乗せて冒険者ギルドへ行った。
山賊の件だ。
俺もいろいろと面倒なのでマッシュルームを置いて行きたい。
内容が内容なので、倉庫で事情を話すこととなった。クレアさんはもちろんだが、フォルティスさんがいるということでギルド長も出てきた。
フォルティスさんがアイテムバッグから山賊の死体を全部出して、エリシオンの手柄だと伝えると一瞬クレアさんの目が光った。どうやらクリスさんがロックオンされたようだ。
「クリスさんってお強いんですね」
フォルティスさんとギルド長が山賊について話し込んでいる隙に、クレアさんがクリスさんに接近してきた。
クレアさんの本性を嫁ズから事前に聞いていたノエルさんは冷静でいるものの、強力な魔力で冷気が発生させてしまった。
「「「!!」」」
「ノエル、落ち着いて。大丈夫だから」
クリスさんがそう言うと、ノエルさんからの冷気は収まった。
「はぁ...」
クレアさんが膝を着いてブルブルと震えている。
可哀想ではあるが自業自得だよなー。
「ノエルの魔力量ヤバいな!! エテルナを超えてるんじゃないか?」
「スゴかったですね」
フォルティスさんの言葉に俺も同意する。
イルマさんが言ってたことは正しかったんだな。本当にあの人、何者なんだろう苦笑
とにかく、これでクレアさんが自重してくれるようになるといいけど...。
「あっ、そうだ。俺もマッシュルーム持ってきたんだった」
「何ィ!!」
俺の言葉にギルド長が敏感に反応していたが、俺はそれを無視してダミーのアイテムバッグからマッシュルームを大量に取り出してクレアさんの前に置く。
大量といっても持ってる分の1割くらいだけど苦笑
「こんなにたくさん...。ありがとうございます」
「…」
無言ではあるが、ギルド長からは笑みがこぼれている。よっぽど好きなんだなー。
俺たちはその後、前に案内された3階の部屋でそれぞれ報酬を渡された。
フォルティスさんは報酬を固辞してエリシオンに渡していた。そもそも討伐に参加してないんだら当然だよな笑
「これは俺からの提案なんだが...」
ん?
ギルド長から何かあるみたいだ。
「お前達3つのパーティーで『クラン』を作ったらどうだ?」
「クランか…。急にどうした?」
「アイゼンの幻陽の強さは良く知ってるつもりだが、さっきのエリシオンのお嬢さんの魔力量、そして王女救出のヒーローであるディオランサ...」
「えっ?」
「シーマくん、そうなの?」
ノエルさんとクリスさんが驚いてる。
あれ? 言ってなかったっけ?
「言ってませんでしたね…。ごめんなさい。そんな事があったんです。また後で話しますね」
「…そんな少数精鋭のパーティーが3組。見たところ仲も良さそうだからな。どうだ、クラン結成してみないか? 国内有数の存在になるぞ」
「言いたいことはわかるが、みんなで決めることだからな。考えておくとしか言いようがない」
「いや、今はそれでいい。頭に入れてもらうことが重要だからな」
フォルティスさんがギルド長へ上手く言ってくれたが、想像さえしてなかっただけに正直イメージが湧かない。
確かにこの3組は仲がいい。これから一緒に食事会するくらいだしな。
でも実力で言えば俺たちディオランサが圧倒的に落ちるだけに足を引っ張る形になりかねない。
ただの食事係になりそうだ。
それでも雇ってくれそうではあるけど笑
そもそも俺たちは精龍亭があるから難しいところだよな...。
クランか...。
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