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冒険と成長の三姉妹

異世界勇者の葛藤

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【アレクス城南部】
中央の森林地帯では王宮騎士団の本隊と、アレクス将軍率いる部隊が戦闘を始めていた
数で劣るアレクス達だが…総大将の存在による高い士気と、彼のコレクションである【魔剣】を貸し与えられた彼の親衛隊の戦力は凄まじく、数で圧倒する王宮騎士団の有利!…とは簡単にいかなかった



【アレクス城南東部】
こちらでは、異世界勇者御一行と騎士団の100人の軍勢に【不死の魔女】エーデが立ち塞がった
エーデは地中からアンデッド達を呼び覚ました!ティンクルがターンアンデッドの魔法を掛けようとするのを、エーデが【火球連弾】を放ち阻止する
その火系魔法を魔法で防御すると、ターンアンデッドが使えない。ここまでは前回と同じ流れだった。が…

「ふっはっは!同じ手は2度も喰らいませんよ!プロテクションRING!」

スターは得意気に指輪を天にかざし魔力を注ぐと【火球連弾】の射線上に、魔法結界が張られソレらを防いだ

「どうですか、どうですか!指輪のチカラならヒーラーじゃなくても結界が張れます。すなわち!貴方の戦法は無力です!」

スターは前回の対策をしっかりしていた。ソレが見事にハマり完全にイキっていた


「いーひっひっひ!ソレがどうしたのさ…リッチー、今よ、やっちゃって!」

エーデの背後から現れたリッチーが闇の魔法球を放つと、異世界勇者達の背後の騎士団の中心で爆裂した
その魔法が直撃して死亡した3名が、やがて自然修復され、アンデッドへと変貌していく

「アンデッド化の攻撃か!?ダメージを受けた者は後方へ下がれ!勇者様はアンデッドを!俺が【不死の魔女】をヤル!スターはリッチーを頼むぞ!」



【右翼後方】
「ヒイロ!早速怪我人が送られてきたわ。私達は彼らの回復と退路を確保するわよ!」

シェリーはシャルルとガルダンを連れて負傷者の退路と前方の戦闘への、後方支援に向かった
ヒイロ達は負傷者した騎士5人をサーシャの回復魔法と、騎士団から預かっていた回復薬で彼らの治療に当たった

「早くも、これだけの負傷者が出てるなんて、前方の戦闘は激しいようだね…」

「お兄ちゃん…私達も加勢に行った方が良くないかなぁ?」

「うーん……俺と…エリエスで様子を見てくる。アリスは妹達を守ってくれ。カルーアもサーシャも頼んだぞ!」

「絶対、無事に帰るんだよ!」

「コチラはお任せですの!」



【勇者の葛藤】
勇者の優輝は、エクスカリバーに光の魔法を纏わせ、アンデッドを狩ってはいたが…元騎士のアンデッドには、攻撃を躊躇っていた

「貴方!ナニを迷ってるの!」
 

シェリー達が現れ、優輝が攻撃を躊躇うアンデッド達を薙ぎ払った

「だってよ、彼等は!さっきまで騎士…人間だったんだ!ソレを何故アッサリ斬れるんだ!?」

日本から召喚された優輝は目の前の出来事に躊躇っていて、そのチカラを発揮出来ていなかった

「ったく、勇者様は甘ちゃんね!」

シャルルが炎系の魔法で、接近してくるアンデッド達を次々と焼いていった

「あらあら、今回は多勢に無勢過ぎるわね…現れなさい、カイザーちゃん!!」

エーデが長い詠唱を終えると…カイザー級のドラゴンゾンビを召喚された。ソイツはシェリーの剣戟に耐え、シャルルの魔法にも耐えていた

「ゴアァ!」

更に火球ブレスを2人に吐いた!

「危ないっ!」

ガルダンが巨大な盾を構えて、姉妹をそのブレスから守ったが…
「ぐぁぁぁ!!」
いかに大盾といえど、カイザー級のブレスの威力は凄まじく凌ぎ切れなかったブレスに、身体の何ヶ所かを焦がされたガルダン



【商業ギルド】
「はぁ…皆さん…サーシャさんまで…戦地で戦っているのに…ボクは…ヒイロさんが…出発前に終わらせた…修理品を…届けるくらい…何か…ボクにも…出来ないのかな?」

そんな事をブツブツ言いながらギルドの中に入るミル。彼は受付けのネネカに、ヒイロから託された修理品を渡した

「ミル君だったわね…お使いご苦労さま」

(ボクは…何処に行っても…子供扱いだ…やっぱり…ボクが稼げるように…ならないと…)

そんなミルが掲示板を見ると、ある募集が目に入った

「これは…家政婦の募集?」

「あぁ、ソレね…2ヶ月前の街の大被害の後にやって来た、人の大工をしてる男性がね、家事をしてくれる30歳までの家政婦を募集してきたのよ」

「1日…6時間で…1万ゼニー…能力により…上乗せあり…ですか…」

稼げる男。が気になっていたミルには、実にタイムリーな募集だった

「でもね、その兄弟は20代半ばなのよ、ソコに若い女性を派遣するのは…色々と危険でしょ?だから困っているのよ…」

「そう…ですね…!?あっ!…でもコレ…年齢指定はあるけど…性別の指定は…無いですよ…」

「えっ?…あら、本当だわ。30までなら男性でもOKみたいね…見落としていたわ」

「…あ、あの…この募集…ボクでも…良いでしょうか?」


ミルは自分でも稼げるようになりたいと焦っていた。街の人気者である鍛冶師のヒイロ。自分と年齢の大差ない三姉妹は冒険者をこなしている。そんな中、家事しか出来ない自分に焦りをかんじていたミル
しかし、募集している兄弟にとっては、男の娘であったとしても好都合である事も知らずに…



続く
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