四季階段

 声が出せないその少女は同じ夢を見続ける。

今日も同じ夢、今日も同じ景色、今日も同じ場所、今日も同じ服。
 今日も目ともに包帯が巻かれてある。だけど不思議なことに彼女は普通に見える。ココがどんなとこか彼女自身がどんな服装か。

 左右を見れば竹、竹、竹……前後を見ればどこに続いてるのかもわからない長い長い階段……その間にあるサボテンのような棘がある茂み……そしてその階段に二十段おきに鳥居と僅かなランプの光がある。いつもと変わらない。強いて言えば霧が昨日より少し濃いだけ。

 階段を登る。それが彼女が今まで見つけてきたココからいち早く出られる方法。階段を下がっても何も起こらない。
 むしろ彼女には嫌な空間が漂ってるように感じる。昔からこういう感が鋭いからなのでしょうか?
 彼女はただひたすらと階段を登り続ける。不思議と疲れることはないようだ。

 コツ、コツ、コツ一段一段登るたびに下駄の音がココに響いている。まるで彼女の居場所を誰かに教えてるかのように。

 何個目かの鳥居をくぐったとき彼女の周りが暖かい柔らかな光に包まれる。これがココから帰って良い合図なのだ。
 彼女は光に包まれて帰っていく。夢から覚めていく―――


 果たして少女が何度も見続ける夢の正体とは⁈そしてこの先に待ち受ける『真実』を知ったとき彼女はなんと思うのか―――


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ミステリーとファンタジーの比率はほぼ1:1
(ジャンルが2つ選べたらいいのにな〜)
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