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気持ちのよい晴れた朝のことだった。ベランジェールが日課の庭園スケッチをし始めて一時間ほど経った頃、王家から三人の使者が来た。

セバスチャンが王家の使者に対応したが、彼らは直接ベランジェールに封筒を渡すようにとの王命を受けていた。セバスチャンは使者三人を応接室に通した後、その旨をベランジェールに伝えると、ベランジェールは興奮のあまり鉛筆を放り出して飛び上がった。


(絶対に入賞したわ! 入賞していないときはいつも郵便配達員が届けに来るもの。あとは金か銀か銅か……どれでもいいわ! コルテオ、やった!)


ベランジェールはコルテオの世話人、すなわち代理人として登録されており、結果を本人より先に知る権利があった。展覧会には貴族のサロンに出入りしている画家が多く応募しているため、一般的な風習だった。

ベランジェールは気を取り直して身だしなみを整えた後、応接室に入った。使者たちも立ち上がり、うやうやしく挨拶した。


「ベランジェール様。お目にかかれて光栄です。アルトゥールと申します。王家の使者として参りました。王国展覧会の結果がこちらになります」


そう言うと、アルトゥールは王家の封蠟印が押された封筒をベランジェールに差し出した。


「つつしんで受け取り申し上げます。もし差し支えなければ、開けてもよろしいですか?」ベランジェールは早く結果を知りたい気持ちを懸命に抑えつつ、おだやかな笑顔で尋ねた。


「もちろんでございます」とアルトゥールは答えた。


ベランジェールは後ろに控えていたセバスチャンに封筒を渡し、丁寧に開けさせた。中身を受け取ると、ゆっくり広げた。


(銀賞!!!! よくやった、コルテオ!!!!)


ベランジェールは胸にこみ上げてくるものがあった。さりげなくハンカチで目元を拭った。


「ちなみに、今回の展覧会の参加者は何人だったのでしょうか?」ベランジェールがアルトゥールにきく。


「3521人です。激戦でした。おめでとうございます。次回はまた三年後に開催予定ですので、参加者のご検討をいただけると幸いです」


「承知しました。もちろん次も、うちの精鋭たちが参加しますわ」


「かしこまりました。――明後日に王都で授賞式を行います。国王陛下もいらっしゃるご予定ですので、コルテオ様と一緒にお越しください。ひとまず明日の日暮れまでに、王宮にいらしていただけますか? 本日でも構いません」


「本日中にコルテオを連れて伺います」


王家の使者への対応を終え、ベランジェールはすぐに王宮に行く準備を始めた。セバスチャンを中心にして使用人たちもその支度を手伝った。
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