リーグ2制覇達成から翌年、まさかの5位転落という屈辱を味わった髙津ヤクルト。主力の不調や投手陣の不安、チームの歯車はまったくかみ合わず、覇者の面影は消えていた。
そして今シーズン。「ヤり返せ!」というスローガンを掲げた髙津監督は、どんなビジョンでチーム再建を図り、長いシーズンを戦っていくのか。本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、雪辱を誓う髙津監督のマネジメント術をお届けしていく。
(インタビュアー:長谷川晶一)
――8月を迎え、現在は9連戦の真っ最中です。負傷者が相次ぐ中、ようやくサンタナ選手も戻ってきました。
髙津 スワローズの場合は、シーズン途中の補強があるわけではないので、負傷者の復帰ということが最大の戦力アップという一面があります。こうした中でサンタナが戻ってきたことはとても大きいし、打線に厚みが加わるのは間違いない。やっぱり、彼の不在はチームにとって大きいですよ。
――サンタナ選手の復帰がオスナ選手にも好影響を与えることでしょうし、いい相乗効果も期待できると思います。髙津監督就任と同時に来日した両選手も、今年で来日5年目。両外国人選手については、どのように見ていますか?
髙津 「今年も」と言っていいのかわからないけど、相変わらず真面目に全力プレーを続けてくれているのは本当に心強いです。特にオスナの場合は、人間だから当然、好不調の波はあったとしても、ずっと試合に出続けてくれる身体の強さがある。それはチームにとって、とても大きな存在です。打つだけでなく、ファーストの守備もうまいし、走ることにも手を抜かない。本当にありがたい存在です。
――一方のサンタナ選手についてはいかがですか?
髙津 彼の場合は故障離脱もあったけれど、それでも体調が万全であれば打率だけでなく、打撃ランキングの各部門でタイトル争いができるだけの実力があります。彼が不在の間は、やはり得点力という部分はダウンとなっていました。相手バッテリーからすれば、ムネ(村上宗隆)や(山田)哲人、オスナに加え、さらにサンタナまでマークしなければいけないとなると、本当に厄介だと思います。さっきも言ったように、サンタナの復帰は打線にかなりの厚みを増してくれることとなりました。
――オスナ選手も、サンタナ選手も、今季途中で新たに3年契約を結びました。この点についてはいかがでしょう?
髙津 契約については、あくまでも本人たちの問題なので、僕の口からはどうこう言えることではないですけど、オスナにしても、サンタナにしても、改めてじっくり腰を据えてプレーすることが可能となるわけだし、2人ともすでにチームに溶け込んでいるのでとても喜んでいると思います。