男性が苦手でこれまで女性としか付き合ったことのないOL絵里奈の前に、一人の男性が現れた。彼の名前は山下達(やましたいたる)。最初はどうせ男性なんてみんな一緒とあまり意識しないで見ていた絵里奈の目にも、彼は他の男性とは違って見えた。だから男性として意識せずに話はできたけれど、決して好きになることなんてないと思っていた。それなのに……。
文字数 276,956
最終更新日 2018.05.30
登録日 2017.12.10
ママは、私が小学校に上がる前に亡くなった。ガンだった。
当時の私はまだそれがよく分かってなかったと思う。ひどく泣いたり寂しがった覚えはない。
だけど、それ以降、治らないものがある。
一つはおねしょ。
もう一つは、夜、一人でいられないこと。お風呂も一人で入れない。
でも、今はおおむね幸せかな。
だって、お父さんがいてくれるから!。
文字数 98,743
最終更新日 2018.05.28
登録日 2018.02.28
人の心を持ってしまったロボット、アリシア2234-LMNと、彼女が主(あるじ)と認めた千堂京一の人生の終焉の物語。彼女が、自らの存在全てを懸けて愛した千堂に対して唯一抱いていた不満とは…?
登録日 2017.12.08
「絵里奈の独白」に登場する伊藤玲那がどんな幼少期を過ごしたかを描いたものです。これの、「伊藤玲那編」における伊藤玲那として経験したことがそのまま、「絵里奈の独白」の伊藤玲那の過去に当たります。
なお、物語自体は途中でルート分岐して、宿角玲那となってからは、香保理とも絵里奈とも出会うことなく全く別の結末を迎えることになります。
非常に救いのない物語なのでご注意ください。
登録日 2017.12.16
短編集「デッドエンドフェアリーテイル」の中のエピソードの一つです。「絵里奈の独白」に登場する篠崎香保理の過去と彼女の死の顛末を描いたものです。
非常に救いのない内容なのでご注意ください。
登録日 2017.12.16
鹿海結華(しかみゆいか)は、ある人形作家の個展を見に行った時、一体の人形に一目惚れしてしまう。しかしそれは作家自身の作品ではなく、作家の友人の遺作となる特別な人形だった。その高価な人形を迎えるべきかどうか数日悩んだ末、彼女はその人形を迎えることを決心したものの、残念ながら一足違いで他人の手に渡ってしまったのだった。
だが、運命の悪戯か、彼女はその人形を迎えた御厨久信(みくりやひさのぶ)と出会ってしまう。最初は人形に会う為に彼の家を訪れる彼女だったが、次第に彼の誠実な人柄に惹かれ、いつしか彼に会うことも家を訪れる理由の一つになっていた。
そして決意をもって彼の家に泊まることにした鹿海結華だったが、そこで不思議な体験をする。こうして、鹿海結華と御厨久信、さらに彼の人形との奇妙な日常が始まったのであった。
登録日 2018.01.03
2011年10月。妻がアラフォーにもならないうちにこの世を去った。ガンだった。結局、何もしてあげられずに逝かせてしまったことを、僕は今でも悔やんでる。だからこそ、この子は、美智果については大切にしてあげたいと思ってる。
あれから六年。美智果は健やかに朗らかに育ってくれてる。と言うか、うん、まあ、健やかで朗らかなのは間違いないと思う。ただちょっと、そろそろ年頃なんだからもうちょっとこう、自覚したらいいんじゃないかなとは思わなくもない。
なにしろ、今年で十二歳になるというのに、おしゃれには興味ない。恋愛にも興味ない。でもネットのゲームは好き。携帯電話は面倒臭いからいらないと言う。お風呂には一人で入れない。裸族。髪すら自分では梳かない。スカートは好きじゃない。長い髪は好きじゃない。あんこが嫌い。チョコレートはビターしか食べない。甘いものは好きじゃない。他人に媚びるのが嫌い。特に男子に媚びるのが嫌い。自分の服と僕の服を一緒に洗っても文句は言わないけど、その一方で経血で汚れた下着も平気で僕に洗わせる。等々。
いわゆる<女子力>とかいうものを欠片も持ち合わせてないのが、僕の娘の美智果だった。
でも、そんな子でも、僕にとっては世界一可愛い娘なんだ。何物にも代えがたい宝物なんだ。
これはそんな僕と美智果の日常の物語である。
登録日 2018.03.28
私は、彼の可愛さにすっかり魅了されていました。いえ、恋をしてると言ってもいいでしょう。彼の家に訪れる度に写真を撮らせていただいて、今ではその数は数百枚に上っています。彼の名前は山仁大希(やまひとひろき)君。小学四年生。年齢は九歳。私より六つも下です。でもそんなことは関係ありません。そんなことでは彼の魅力は揺らぎません。
そんな彼に魅了されてしまった私は、密かに計画を練っていました。彼が結婚可能な年齢になる九年間の間に彼を私の虜にして、婿養子として私の家に迎え入れるのです。その為には、彼を私の虜とするだけでは足りません。彼を私の家に相応しい一流の男性に育て上げる必要があるのです。でなければ父や母に結婚を反対される可能性もありますから。
こうして私の、九歳の男の子を自分の伴侶に相応しい男性に育て上げる為の遠大な計画が動き出したのです。
登録日 2018.04.10
普通の公立中学校に通う普通の中学生の少女だった石脇佑香はある時、何の前触れもなく落ち度もなく14年の短い生涯を終えた。そして彼女は、自分が見たこともない街にいることに気付く。
その石脇佑香の前に現れた三つ目の少女?アーシェスに、自分は死んでデータとしてこの<書庫>に転送させられたのだと告げられた。そこは、宇宙のあらゆる事柄をデータとして保存することを至上の喜びとする変態種族が管理運営する、宇宙の巨大なデータサーバーだった。
あらゆる宇宙のあらゆる種族がデータとして記録され、しかし感覚的には生きていた頃と全く変わらず存在出来る<書庫>の中で、平凡な地球人の少女・石脇佑香と彼女を取り巻く不思議な人々との奇妙な日常がこうして始まったのであった。
登録日 2018.04.10
偽生症(Counterfeit Life Syndrome)=CLSと名付けられた未知の病により死の星と化した惑星リヴィアターネに、一人の科学者が現れた。一切の防護措置も施さず生身で現れたその科学者はたちまちCLSに感染、死亡した。しかしそれは、その科学者自身による実験の一環だったのである。
こうして、自らを機械の体に移し替えた狂気の科学者、アリスマリア・ハーガン・メルシュ博士のマッドな情熱に溢れた異様な研究の日々が始まったのであった。
登録日 2018.04.10