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チーズになりたかったんだ、私。煙草じゃなくて、チーズになりたかった。
チーズになりたかったの。
私たち、大人になりすぎてしまったの。
文字数 1,477
最終更新日 2023.10.14
登録日 2023.10.14
君は、少しだけ足を濡らしながら、海の向こうを見ている。
朝日に照らされた向こう側を、夕日に映し出された向こう側を。
真っ暗で不明瞭な境界線を。
僕はそんな君を眺める。
白い足首に波紋を作る波を、風に揺れる白いワンピースを。
キラキラと輝いた、向こう側を見つめる視線を。
中学二年生の時、一度だけ、彼女が言った。
『この海の向こう側に、何かがあるんだ。
私はね、それを見てみたいの。』
『そりゃあるでしょ。
大陸が。』
彼女は、不貞腐れたみたいな声色の笑顔だった。
『分かってないなあ、君は。』
そう言って、君はまた海の向こう側を見た。
君の隣で見るのは恥ずかしくて、君がいなくなってしまった後に、僕は海の向こう側を見たんだ。
「やっぱり、僕にはわからないよ。」
全部、真っ暗に見えてしまって。
やっぱり、僕は、君を見ていなきゃ、ダメなんだ。
海岸沿いに住む二人のお話
文字数 2,501
最終更新日 2019.12.31
登録日 2019.12.31
淡い恋心を抱いていた女子が、ある日突然「いじめ」られ始めた。別に彼女が悪い訳じゃなくて。僕は「いじめは悪」だと吐いて。『だからって、平凡な僕に何が出来るってんだよ!』そんな男子高校生のお話。
文字数 12,656
最終更新日 2019.04.30
登録日 2019.03.31
高校一年生の5月。教室の中の会話。どいつもこいつもが薄っぺらい騒音を撒き散らしていた。だからこそ、窓から見える景色にぼんやりと思った。
『あいつらの脳みそにコードをぶっ刺して響かせたい。』
文字数 8,072
最終更新日 2019.04.04
登録日 2019.03.28
高校生の「僕」は、冬休みの宿題が終わらなかったから、旅に出ようと思った。
文字数 1,359
最終更新日 2019.01.15
登録日 2019.01.15
固有スキル「転生」で転生を繰り返して、チートスペックを手に入れたリグ・アドバース。
幾度となく人類を救った英雄が求めるものは…
彼の理想のスローライフを送ること。
明らかに目立ち過ぎるチートでもスローライフを送るには、どうすれば良いのか。
転生を繰り返してたどり着いた彼の答えを順を追って教えてくれる、そんな実践講座!
可愛いすぎる手乗りドラゴンと送る、爽快系隠居ファンタジーです!
リグ「えっ…可愛すぎでしょ。
意味分かんない。もう吐きそうなんだけど、幸せを吐き出しそうなんだけど。」
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文字数 32,890
最終更新日 2018.12.09
登録日 2018.09.30
のことだ。僕は眠れないと、いつも母に読み聞かせをねだった。
そんな時、母は決まって伝説の勇者のお話をするのだ。
伝説の勇者、ゼタ・バルセリア。
語られる彼の話に、僕は胸を躍らせた。
カッコいいと思った。
だけれども、自分でも不思議なほどに、僕は彼への憧れを抱かなかった。
カッコいいと思う。それだけだった。
僕が憧れたのは、民衆にも語られない、本の中でも名前しか出てこないような。
魔王を倒して歴史の表舞台から姿を消していくような。
そんな勇者に、僕はどうしようもなく心惹かれた。
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彼はなぜ、普通の勇者に憧れたのか。
普通の勇者を目指す先には何があるのか。
そんなお話です。
文字数 7,882
最終更新日 2018.09.27
登録日 2018.09.25
ちょっと変わった彼女と変わっていることから変わりたい僕のお話です。
文字数 1,984
最終更新日 2018.09.25
登録日 2018.09.25
「今までの冒険の振り返りをする旅をしよう!」
野宿用のテントの中、食べかけのスープを床に置いて、僕は『皆に聞こえるように、声を張り上げた。』
そうしたら、パーティーリーダーで魔法剣士のゼルが、端正な顔から白い歯を覗かせて、
「それも、いいね。」って変わらない笑顔で答えた。
これは、肯定しかしないパーティーメンバーと、僕の、限りある旅のお話だ。
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前作、「それでも、勇者は勇者であった。」と同じ世界線の物となっています。
直接は関係していませんが、あわせて読んでもらえれば、より楽しんでいただけると個人的には考えております。
興味があったら、そちらも覗いて下されば幸いです。
文字数 6,473
最終更新日 2018.09.23
登録日 2018.09.23
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