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人手不足が深刻だったエンジニアの世界では、人材でも高い報酬で事業会社や大手コンサルティング会社の重要なポジションに採用されてミスマッチが起きるような話を見かけたりします。SIerやSESではエンジニアという肩書なのだけど、殆ど素人に近いジュニアが結構な金額でアサインされてきて問題になったりしています。
結果として、人が足りないのではなく、自分で判断して仕事をやりきる人が足りないのだという結論に至る頃合いなのではないでしょうか。
企業はいつ何時でも制度を大きく変更させる可能性があるということです。『今の勤務先の制度がこの先もずっと変わらない』という事を大前提にし、勤務先企業を過度に期待してしまうと、大きな変更が生じた際に受け身が取れなくなってしまうリスクがあります。結局、損をするのは自分なので、そこは自己責任ということになります。
企業の経営陣は、企業の存続と利益の最大化、顧客や株主への責任を負っています。目的が達成できれば、それが人によるものであってもシステムによるものであってもより最適なほうを選択します。方針は変えるし、最悪レイオフも選択肢として持ちます。相手がどのような目的で、どのようなルールに従って振る舞うかを踏まえて動く必要があります。
また、企業で会社員をしていると、どうしても待遇や労働環境など自分の事に意識が行きがちですが、顧客は誰なのか、自分の報酬は何に対して支払われているのを考えることも重要ではないかと思います。自分の仕事がどれだけの価値を生み出しているか。それは労働市場でどれくらいの価値を持つことができるか。その価値が本当に必要とされるならば自分で自分の居場所を選択できるし、そうでなければそれなりの制限を受け入れるしかない。例えば、フルリモートでも本当に必要とされるならば、それを元に条件交渉をして受け入れ居場所を探す事になります。
企業によるリモートワーク縮小を、どう評価すべきかということを議論する上では、そういう視点も重要ではないでしょうか」(中野氏)
(文=Business Journal編集部、協力=中野仁/AnityA代表)