東京ディズニーR、値上げでも最高益…さらに値上げで「庶民は行けない場所」か

東京ディズニーR、値上げでも最高益…さらに値上げで「庶民は行けない場所」かの画像1
東京ディズニーリゾートを上空より(「gettyimages」より)

 東京ディズニーランドと東京ディズニーシーからなる東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの2023年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比39.3%増の2843億円、純利益が同約2倍の545億円と、ともに過去最高になった。24年3月期通期では純利益1051億円の予想となっており、1000億円を超える見込み。要因としては1日券「1デーパスポート」の最高価格を1万900円(18歳以上の大人料金)に引き上げたことや、有料のアトラクション予約サービス「ディズニー・プレミアアクセス」の利用が増加したことで、入場者一人当たりの売上高が1万6566円(前年同期比5.6%増)に伸びたことが大きい。一方、ここ数年、両パークの料金は上昇トレンドにあるものの入場者数が増加しているため、さらなる値上げが行われるのではないかという観測も広まっている。

 2001年に5500円だった「1デーパスポート」の価格は年々値上がりし、21年3月に価格変動制が導入された時点で大人料金は休日が8700円、平日が8200円。21年10月1日からは7900円、8400円、8900円、9400円の4段階となり、今年10月からはさらに9900円と1万900円が追加され6段階に。最高価格は繁忙期の週末やクリスマス、年末年始などに適用される。

 その間、来場者一人当たりの売上高は年々上昇。2000年度の9236円から徐々に上昇し、コロナ禍による移動制限が緩和された21年度は前年度から急伸し1万4834円に。そして23年9月中間期は1万6566円まで伸びた。

 売上と利益が高水準で推移している理由について、テーマパーク経営に詳しい明治大学経営学部兼任講師の中島恵氏はいう。

「純粋な入場者数の増加や『1デーパスポート』の値上げに加え、無料の『ディズニー・ファストパス』が廃止された代わりに導入された有料のアトラクション予約サービス『ディズニー・プレミアアクセス』の利用が増加したことや宿泊客の増加、割高なキャラクターフードの販売が伸びたことなどが売上増につながったのではないか。また、利益増については、人員削減をはじめ踏み込んだコスト削減を行った効果が出ているのだろう」

さらなる値上げの可能性も

 そんななか、料金引き上げが続いているのにもかかわらず、入場者数が減るどころか増えていることから、SNS上では以下のように、運営元が「強気」に出てさらなる値上げを行うのではないかという声も広まっている。

<今の価格でも利益出るなら更に値上げも検討してるでしょう>

<一日2万くらいに上げても少々人が減っても売り上げ増えそう>

<あそこに入れる人はちょっとの値上げなんか誰も気にしない>

<貧乏な層を切った結果うまくいっている>

<そのうち、ディズニーは若者には払えないくらいの値段になる>

<めちゃくちゃ混むなぁ、せや値上げしたろ これで過去最高益>

<日本人は値上げしたディズニーランドには行きづらくなってる>

<貧乏人はそもそもターゲットじゃない>

 前出・中島氏はいう。

「日本では原材料価格やエネルギーコストの上昇が続いており、加えて、米国カリフォルニア州のディズニーランドの1日券は最低でも104ドル(約1万6000円)、最高で194ドル(約2万9000円)であることを考えると、日本でもさらなる値上げが行われることは十分に考えられる。高額な料金を払ってでもディズニーリゾートに行けるということに自己実現の満足感を得る人も少なくなく、自分のSNS上に『映える』動画や写真をアップしたいというニーズにも最適な場所なので、今以上に料金が値上がりしても目立った客数減は生じないと考えられる。