スマホの料金プランは2年に一度見直すべき…法人の場合、大幅にコストダウンも

スマホの料金プランは2年に一度見直すべき
「Getty Images」より

 ビジネスシーンでリモート会議や高画質な動画データの送受信などが一般的となったが、それらを私用のスマホで行うと通信料の負担が重くなってしまう。そこで、業務で使う携帯電話を会社が端末ごと一括契約し、社員に貸与しているというケースが増えてきているという。

 そこで見直したいのが、携帯電話の料金プランだ。場合によっては劇的なコストダウンも可能だという。法人契約の携帯電話料金の見直しについて、専門家に聞いた。

料金プランを見直すことによってコストダウンできる可能性

 さまざまなモノの値上がりが続いており、企業にとってもコスト削減が至上命題となっているが、意外と見逃されがちなのが「通信費」だ。特に、従業員が業務で使用する携帯電話を法人として契約している場合は、料金プランを見直すことによってコストダウンできる可能性が高いという。

 法人契約の携帯電話プランを見直す際に注意するポイントなどを、「携帯見直し本舗」の鮎原透仁氏に聞いた。

「法人契約といっても、料金プランは一般的な個人契約と大きく変わりません。各キャリアが出している現行のプランと同じ内容が適用されます。そこで、まずは個々の回線に対して、現在のプランが適正かどうかを診断します。通話かけ放題をつけるのか、パケット上限を何ギガにするのかなど、利用実態に合わせたプランに変更していくことが見直しの基本となります」(鮎原氏)

 法人として複数の回線を一括契約する場合、専用プランを用意しているキャリアもあるようだが、基本的には個人と同様だという。また、オフィスまわりのコストダウンを請け負うコンサルタント会社などが、まとめて通信料を削減するサービスを行っていることもある。

「法人契約のメリットは、経費参入のしやすさです。少人数の会社の場合で、経営者が個人で複数台を契約し、 法人で立て替え払いをして経費に計上するというケースもありますが、税理士さんの見解によっては難しかったりすると思います」(同)

 プランの見直しでポイントとなってくるのは、通話時間とパケットの消費量だ。

「個人であれ法人であれ、携帯料金を見直す上で重要になってくるのが、使い方とプランがマッチしているかどうかということです。ほとんどの場合、無駄が大きく発生しているのはパケットです。例えば、毎月1ギガしか使ってないのに、無制限の契約をしていたりすることがあります。まず、このギガの買い過ぎを見直すことが最優先です」(同)

 営業社員の携帯電話をギガ無制限プランにしていたが、社内のWi-Fiを利用することが多いため、ほとんど消費していなかった、ということはよくあるという。テザリング使用の頻度なども目安になりそうだ。

「ただし、日本の携帯キャリア各社は料金プランがバラバラなので、そこから変更できるのであれば、単純にプランを変えてパケット減らせばいいということではなくなってきています。改めてキャリアごとのプランを比較検討する必要があります」(同)

 NTTドコモ、au、ソフトバンクが“三大キャリア”と呼ばれるが、ここに楽天モバイルという選択肢も出てきた。

「楽天モバイルは、料金で言ったら間違いなく日本で1番安い携帯キャリアです。データ無制限、音声通話かけ放題つきで税抜2980円はまさに格安。大手キャリアで、同様のプランなら9000円を超えます。ただ、楽天モバイルは通信品質に問題があります。さらに、かけ放題とはいえ、音声通話をするためには『Rakuten Link』という専用のアプリを使わないといけないのもネックです」(同)

 アプリの操作方法がわからず、楽天リンクを経ないで電話をかけてしまい、通話料が嵩んだという“事故”も起こりやすい。