生保レディの過酷労働、生保会社「使い捨て」に変化か…人材の取捨選択転換へ転換

 だが、これは“保険料の立替”という違法行為に該当する。客側から肩代わりを要求するのはご法度だが、ノルマを達成するためにこうした営業方法で契約を取る外交員はいるという。実際に、「3カ月分を払ってもらった」「1年分の保険料に該当する商品券をもらった」という声は少なからず聞こえる。

 さらに、「枕営業」についてもあり得るようだ。「わざわざ自分から仕掛ける人は聞いたことないけれど、契約欲しさに断れなくてつい……、という話は聞く」(同)という。体の関係を持たなくても、見込み客に誘われて食事や合コンに行ったりすることは珍しくないそうだ。

 このような違法行為は別として、営業担当者が尽くしてくれたとしても、保険の内容に納得できなければ入る必要はない。ほかの保険会社も出入りしていれば相見積を取り、互いを競争させるというのも一案だ。

 重大月にはパンフレットとともにノベルティを配ることが多く、それを集めることで小遣いを稼ぐ人もいる。保険会社では、クリアファイルやカレンダーなど、自社のCMに出演するタレントの写真を使ったグッズを用意している。これをフリマアプリなどで売れば、数百円~1000円前後の値がつくという。

 たとえば、アフラックでは、嵐の櫻井翔がテレビCMに出演しており、彼の写真を使ったクリアファイルやポスターなどを用意している。これがどのくらいの価格で取り引きされているか調べたところ、クリアファイルは「ヤフオク!」「メルカリ」ともに1枚数百円で取り引きされ、ポスターは1500円以上になっていた。

「タレントの人気にもよりますが、絶版になったものは特に高く売れるようです。うちの会社が若手タレントを起用していたとき、『人気が出たら転売したいからたくさんちょうだいよ』というお客さんもいました」(同)

 重大月である7月となった。保険は必要なものではあるが、詳細な保障内容を知らずに契約している人も少なくない。外交員たちが押し寄せてくることを利用して、自分の保険を見直すのもいいだろう。しかし、勢いに押されて不要な保険契約にサインしないよう、注意したい。
(文=OFFICE-SANGA)