それだけに「ウマ娘」がCA社のゲーム事業(事業会社はCygames<サイゲームス>)の業績に与える影響は大きい。「ウマ娘」リリース前まで同事業の四半期ベースの営業利益は概ね数十億円で推移していたが、リリース直後の21年9月期第3四半期(4~6月)は442億円を記録。以降、黒字が続いていた。
だがモンスター級のヒットを誇るゲームタイトルでも、リリースから2年が経過すればその勢いに衰えが生じるのはやむを得ない。例えばSNS上には以下のように、主に課金システムに関して疑問を感じるというコメントがみられる。
<新シナリオになってから、おもしろ見が欠けた>
<あきらか運営の妨害仕様の育成回が頻繁にあります>
<凸前提のシステムで10連あたり3000円はどう考えても高すぎます>
<出る時はあっさり、出ない時は天井。ガチャがイカれてる。調整してるとしか思えない>
<ガチャシステムにやはり問題がある。 エンジョイ勢はどちらかと言えばサポカよりキャラのガチャを回すと思われる。 が、システムの問題で排出率に常々偏りがある>
<ガチャはかなり渋めの設定になっており、色んなキャラクターを揃えるだけでも相応の課金を覚悟する必要があります。 更に上を目指そうと思えばか金額は何倍にもなります>
ゲーム業界関係者はいう。
「多く課金しなくてもプレイはできるが、のめり込むとユーザーが多額の課金をしてしまうタイトルではあるといえる。そのため『課金がエグイ』とのイメージが広がってユーザ離れが起きているとみられるが、これだけ大ヒットしたタイトルなので、そういうイメージが先行して悪目立ちしてしまいがちな面は否めない」
「ウマ娘」に関しては他にも懸念材料がある。5月、CA社は、大手ゲームメーカーのコナミデジタルエンタテインメントから同タイトルをめぐって訴訟を提起されていることを明らかにした。コナミは、「ウマ娘」のゲームシステムが同社の持つ特許権を一部侵害していると主張。損害賠償等40億円および遅延損害金をサイゲームスに要求するほか、『ウマ娘』の提供の差止めも求めているという。サイゲームスはコナミの持つ特許権を侵害した事実はないと主張しているものの、その動向が注視される。