PayPayカード、支払い遅延1回で利用停止か…保有枚数が多いと信用が落ちる?

新井氏「2~3回延滞したら利用停止となる可能性が高くなります。引き落としに間に合わなかった事実は消えませんので、翌日にすぐに振り込んだとしても、滞納には変わりがありません。同じことを繰り返していると、与信にも影響を与えるのは当然のことです」

――個人での利用と、事業として利用している場合で、厳しさが違うということもあるのでしょうか。件の書き込みをしている方は、経営者のようです。

新井氏「個人の利用では、一括払いを後から分割払いに変更するといった柔軟な対応が可能ですが、ビジネスカードは原則として翌月一括払いです。そういった意味では、ビジネスカードのほうがより厳しい点はあるといえます。

 ビジネスカードの場合、利用限度額も個人利用よりも高額に設定されるケースが多いことも理由のひとつです。高額の返済になるほど、一度の滞納でも厳しい処分を下す可能性は考えられます」

――カード会社ごとに審査基準に違いはあると思いますが、どこのカード会社が厳しい(または緩い)といった話を聞いたことはありますか。

新井氏「銀行系のクレジットカードの審査は、流通系などほかのカード会社と比べると多少厳しいといわれていますが、一般カードだとそこまでの違いはないと考えます。安定かつ継続した収入がある(返済能力がある)こと、そして在籍確認が取れること、また信用事故情報がないことをクリアすることが一般的な基準です。ただし、プラチナ以上のハイクラスのカードだと、どのカードでも当然審査基準は厳しくなります」

――カードの保有枚数が多すぎるのも信用を落とすことになる、との話もありますが、いろんなお店で、ポイントや割引特典などをもらうためにカードをつくってしまったという方もいると思います。そのような方は、早めにカードを解約するなどの対応をするべきでしょうか。

新井氏「カードの保有枚数よりも、カードのキャッシング枠に注意すべきです。多くのカードを保有しており、その全てにキャッシング枠が設定されていると、審査に不利になる可能性が高くなるといわれていることから、ポイントや割引特典などをもらうためにカードを作るなら、キャッシング枠を設定しない、もしくは後で0円に変更するなどの対策をとることをおすすめします」

 キャッシュレス決済を繰り返していると、現金を手元に持たなくなることから、自分の支払い能力を超えて買い物をしてしまう恐れもある。カード会社などが提供しているアプリなどを活用して、利用額を細かくチェックすることが重要だ。また、決済方法が増えることでも、利用総額がわかりにくくなるリスクがある。普段使いする決済方法は、極力少なくしておくなど、自分なりの対策を検討しておくべきだろう。

(文=Business Journal編集部、協力=新井智美/CFP、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士)