佐藤氏は購入する側のメリットもあると続ける。
「圧倒的な出品数なので、選べる楽しさがあるということ、単純にほしい商品が見つかりやすいことが挙げられます。高級ブランド品からインポートの古着まで、幅広いジャンルのファッションリユース品があり、購入者としても、自分のニーズに合った商品を探して購入することができるのです。また、例えばお気に入り登録した商品が値下げしたら通知が来たり、好きなブランドの商品が新たに出品された際に通知が来たりするように設定できるので、利用者にとって使いやすいと感じるUI(ユーザーインターフェース)になっています。このようにアプリとしてのクオリティが高いことが魅力でしょう」(同)
では、ZOZOUSEDとメルカリを使ううえで、不便な点や注意が必要な点はあるのだろうか。
「ZOZOUSEDは、あくまでZOZOTOWNを使ったことがあるユーザー向けのサービスなので、普段ZOZOでの買い物をしない人にとっては選択肢に入りづらいでしょう。ZOZOで購入したタイミングでしか、買取サービスを利用できない点と、ZOZOで買い物する際に定価より安く購入できる『買い替え割』を使えるのは必然的にZOZOユーザーに限られてしまう点から、普段からZOZOを使わない方にとっては、お得さは感じづらいと思います。
一方で、メルカリで購入する際の注意点は、一般人が販売しているので、プロの査定を通していない偽物が販売されているリスクがあるということです。もちろんメルカリ側も対策はしていますが追い付いていない部分もあり、購入の際は自己責任になってしまうので、しっかり本物かどうか購入者自身で見極めなければいけないところがデメリットでしょう。販売する際のデメリットとしては、やはり出品から出荷までの工程で手間がかかることです。見栄えよく商品の写真を撮影することや、購入者との交渉、梱包や発送など、一から自分でやらなければいけないことに加え、出品してもすぐに売れないこともあるので、そこは覚悟しなければいけないと思います」(同)
また最近では、ZOZOUSEDで購入した商品をメルカリで売って稼ぐという転売ビジネスもあるようだ。佐藤氏によると同じ商品でも、メルカリのほうが高い価格に設定されていることが多いという。
「メルカリでは独自のポイント制度があり、そのポイントを使って購入するユーザーが多いので、通常より高い価格設定でも売れることが多々あります。同じブランドの商品をZOZOUSEDと比較した場合、もちろんZOZOUSEDのほうが高い価格の商品もあると思いますが、メルカリのほうがユーザー数も圧倒的に多いということもあって、価格帯が高めな傾向にあるのです。どちらで安く売られているか比較することも、購入する際に気を付けたほうがいいポイントかもしれません」(同)
ZOZOUSEDとメルカリのメリットやデメリットについて比較してきたが、結局どちらを使うのがいいのだろうか。
「どちらを使うのがいいかは、ユーザーのプライオリティが何かによるので、一概に決めることは難しいです。例えば、一点一点の服を高く売るよりも、すぐに買い取ってもらい、新しい服をその場で安く手に入れたいというスムーズな買取・購入体験を求めている方には、やはりZOZOUSEDが適しているのではないでしょうか。一方で、服を売る際に、時間をかけても手元に残るお金を最大限にしたい方や、自分で商売をするように、販売までの工程を自分で行うことに抵抗がない方、また購入する際には圧倒的な品数から選んで購入したいという方には、メルカリが向いていると思います。どちらを使うのが適しているのかということに関しては、ユーザー自身がZOZOUSEDやメルカリといったサービスを使う際に、何を一番の目的としているのかを考えて使うということが大事なポイントになるでしょう」(同)