「日本は借金が莫大で財政は危機的」というまやかし…岸田政権が増税連発する裏側

――新しい日銀総裁については、どのように見ていますか。

森永氏 植田和男総裁は、元同僚の話を聞いても、あまり期待できません。岸田総理の忠実な執行者になるでしょう。たぶん、選挙が終わったら金融引き締めにいくと思います。これはとてつもなく危険で、それが世界の金融危機の引き金を引くことになるかもしれないと言う人もいるくらいの行為。それでも岸田総理は、やると思います。

――このところ株価は絶好調なのにですか。

森永氏 だから、とてつもない勢いで落ちると思います。なかなか信じてもらえないんですが、世界恐慌に至る1929年10月24日の“暗黒の木曜日”から始まった暴落によって、株価は10分の1になりました。日本で今、暴落が起きたら、それと同じくらいのインパクトがありますので、私は日経平均が3000円になっても不思議ではないと思っているんです。

――岸田総理が考えている引き締めというのは、どういうものですか。

森永氏 岸田総理がザイム真理教を信じてしまっているものですから、彼の頭の中には、金融の正常化と財政の健全化しかないんです。なので、とてつもない勢いで増税と社会保険料アップ、あるいは公共サービスのカットがきます。毎月やる気かと思うくらい、ビッシリ増税メニューが並んでいるという状況なんです。

 でも、このまま放っておくと、「全部もっていかれるぞ」と私は言っていたのですが、最近冷静に考えてみると、国民負担率100%になったからといって止まらないんです。110%、120%といくかもしれません。カルト教団が年収のすべてを献金させるのでは止まらず、家屋敷もクルマも売って献金しろと言いますね。それと同じです。

――いま国民負担率が5割近くですが、それが2倍になるという見立てでしょうか。

森永氏 2倍以上になるかもしれません。このまま放置したら。

――稼いだものが全部持っていかれるというのは、どういう状態でしょうか。

森永氏 稼いでも稼いでも持っていかれるというのは、今の北朝鮮とかと同じになるということです。

――そういうなかで、何か庶民ができることはあるのでしょうか。

森永氏 江戸時代に五公五民(5割を年貢で持っていかれる状態)になったときに、一部のグループの人たちは一揆を起こしました。もうひとつのグループの人たちは、田畑や家屋敷を全部捨てて逃げたんです。

 現代では、「戦え」と言う人たちのほうが、私が聞いている限りではまだ多いんですが、私は戦うほうが、正直いうと難しいと思っています。なぜならば“脱洗脳”というのは、洗脳された期間と同じだけの期間がかかるからです。国民が目を覚ますまでに、あと40年くらいかかるんです。だから「逃げようぜ」と言っているんです。

――株価も落ちると考えられますか。その時点で、何か方向転換が起きないものでしょうか。

森永氏 世界恐慌のときでも、普通の人たちがみんな困ったんですね。あるいは東京大空襲の後とか、関東大震災の後とか、そういうときには普通のサラリーマンたちが一気に追い込まれるんです。

 そういうときに誰が強かったかというと、農民です。都会の人は、ずっと大切にしてきた着物とか書画骨董とかをお米に換えてもらいにいった。だから先回りして、私はもう自分で食べるものは自分でつくることにしました。自分で使う電気も自分でつくる。自分で使う水も自分でつくる、というふうにすれば、消費税もかからないし収奪のしようがない。

タダで借りた土地で、消費税と電気代無料の自己防衛

――家庭菜園の規模を超えたものですか。

森永氏 野菜をつくっているのは30坪です。それで十分、自給自足はできるんだけど、いまスイカとメロンをつくっていて、全部で60坪耕しています。