先月、東京・新宿にオープンした直後から、なぜか「トイレ」の話題で持ちきりとなっていた東急歌舞伎町タワー。1カ月が経過した今、一部フロアに設置された最先端であるはずの「ジェンダーレストイレ」がパーティションや貼り紙だらけで「大変なこと」になっているとして、再び注目を集めているようだ――。
「新宿ミラノ座」の跡地に建設された東急歌舞伎町タワーは、高さ約225mにおよぶ地下5階・地上48階建ての施設。超高層ビルには珍しくオフィスや純粋なショッピング施設が入居していないのが特徴で、2階には全国のソウルフードが提供されるエンターテインメントフードホール「新宿カブキhall~歌舞伎横丁」、3階にはナムコのアミューズメント施設「namco TOKYO」、4階にはダンジョン攻略体験施設「THE TOKYO MATRIX」、5階にはウェルネスクラブ「EXSTION」が入居。6~8階はシアターホール、9~10階は映画館「109シネマズプレミアム新宿」、18~47階はホテルとなっており、タワー内には深夜・早朝まで営業しているエリアもあることから「夜通し遊んで、そのまま泊まれる」のが大きな魅力となっている。
そんな歌舞伎町タワーをめぐって開業当初から議論を呼んだのが、誰もがアクセスしやすくタワーの顔ともいえる「新宿カブキhall」がある2階のジェンダーレストイレだ。「男性専用トイレ」と「誰でもトイレ・多目的トイレ」しかなく(個室部分自体は、ジェンダーレストイレ、女性用、男性用に分かれて並んでいる)、女性専用トイレのエリアがないとして疑問が続出。さらに他のフロアには男女別の専用トイレがあるにもかかわらず、公式サイト上のフロアマップでは直近の3~5階にトイレの表示が見当たらなかったこともあり、SNS上では
<並ぶ場所や手洗い所に男も女も入り混じる状態>
<全員困惑してた>
<化粧室でメイク直ししてるの男に見られるのなんか嫌だ>
<トイレ中ドアの向こう側に男いるの怖い>
などと不評の声があがる事態に発展していた。ちなみに当時、歌舞伎町タワーは当サイトの取材に対し次のように説明していた。
「ジェンダーレストイレは、性別に関係なく利用できるトイレです
ジェンダーレストイレは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の理念でもある「誰一人取り残さない」ことに配慮し、新宿歌舞伎町の多様性を認容する街づくりから、設置導入いたしました
保安上、ご利用いただくための警備・防犯対策として、以下の施策を実施しています
・警備員による巡回
・防犯カメラによるトイレエリアの常時監視・カメラ画像解析
・上記に加え、SOS ボタン、長時間滞在と騒音による異常を検知した場合の警備員による駆け付け
・清掃員による高頻度の清掃実施
・夜間の電子錠によるロック(店舗利用者のみ使用可)
さらに、お客様のご不安を解消するため、警備員による立哨警備を実施しております」
騒動から約1カ月が経過した今、このジェンダーレストイレのエリア内には大きなパーティションが設置され、そこには「女性専用トイレ→」「←男性専用/誰でもトイレ」という貼り紙が。これによって、壁に沿って並んだ複数の個室を物理的に区分けしているのだが、最先端を謳うスタイリッシュな商業ビルに似つかわしい光景だとして、SNS上では次のような声が多数あがり、再び話題となっている。
<ジェンダーレストイレって名前だけ>
<ただの男女共用トイレ>
<誰もが使いやすいトイレを目指すのはいいけど、その実現方法が間違ってる>
<何を目指してるのか、まだよくわからん>
<なんか難しく考えすぎ>
<パーテーション仕切りがチープ>
<ややこしくするもんだね>