異質なpovo2.0で圧倒的に通信料を抑えられる人、逆に損する人…利点と注意点

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povo2.0のHPより

 2021年3月に大手キャリア3社が格安料金プランのサービスを開始してから早2年以上。NTTドコモのahamo、ソフトバンクのLINEMO、KDDIのpovoは月額料金が3000円以下、オンライン専用プランという点が共通しており、若者を中心に多くの契約者を生み出した。総務省の発表によれば、23年1月末の新料金契約者数は約5000万にも上り、21年5月末から約1.5倍まで増加。携帯電話契約数の33.9%を占めるほど新料金プランの契約者数は増えており、日に日に勢いを増している。

 そんな新料金プランだが、ドコモ、ソフトバンクに比べてKDDIの料金設定はやや異質だ。KDDIは21年9月にpovoを廃止し、基本料金0円で必要な分だけデータを購入(トッピング)するという新しい料金プランpovo2.0のサービス提供を開始。他社の月額制のプランとは異なり、その都度必要になったらデータ量をトッピングするという斬新な料金設定が話題を呼んだ。

 そのため、人によってよし悪しに差が出るプランとなっている。使う分だけ課金すればいいのでコスパが良いと感じる人もいれば、毎月データを購入するのが面倒くさいと感じる人もいるもよう。また基本料金0円なので、メイン端末とは別に通信障害用のサブ回線として契約する人もおり、メイン利用かサブ利用かでおトク度が変わってくるのかもしれない。そこで今回はスマホジャーナリストの石川温氏に、povo2.0の概要や、おすすめできる人・できない人について解説してもらった。

トッピング、ギガ活…povo2.0だけの特徴

 povo2.0は他社の新料金プランと比べ、どういった点が異なるのだろうか。

「基本的にトッピングを購入するという点が他社のプランと最も大きく異なる要素でしょう。povo2.0では自分の使いたい分だけデータを購入するというプランになるので、まったく使わない月であれば、月額で料金が固定されている他社のプランよりも圧倒的に料金を安く抑えることができます。ただしデータをトッピングしていない場合は、Wi-Fi未接続下だとメールのやり取りすらままならないので、普段使いするのであればデータトッピングは必須です」(石川氏)

 契約できるデータは6種類で、有効期間や料金もそれぞれ異なる。24時間データ使い放題であれば330円(税込、以下同)、1GBは7日間で390円、3GBは30日間で990円、20GBは30日間で2700円、60GBは90日間で6490円、150GBは180日間で1万2980円と設定されている。またトッピングできるものはデータのほかに、スポーツ中継サービス「DAZN」や通話トッピングもあり、5分以内のかけ放題であれば月額550円、無制限のかけ放題であれば月額1650円となる。

「ただし、基本的にpovo2.0では一度購入したトッピングの日数延長や繰越、自動更新ができないので、トッピングの有効期限が切れたらその都度自分で再度購入し直す必要があります。一応、3GBのみデータを自動購入できる『オートチャージ』機能があるため、毎月3GBまでの使用に留めている人ならば、そのまま自動的にデータをトッピングすることが可能です。しかし、毎月こまめにデータの容量を変えたい人ならば、その都度トッピングの有効期限を管理しなければいけません。また、180日間トッピングなしだと契約解除になることもあるので、サブ端末で使う人は要注意です。

 ちなみにpovo2.0では『ギガ活』加盟店で買い物することにより、データを獲得することができます。例を挙げると、ローソンで500円以上買い物すると、有効期限3日間で300MBをもらうことができるので、加盟店で買い物する機会が多い人は頭に入れておくとよいでしょう」(同)