スープストック、離乳食の提供で結局、混雑は起きたのか…店舗で意外な現象と結果

 スープストックトーキョーが離乳食の無料提供を始める狙いは、公式サイトからも読み取れるように、

・社会貢献、企業イメージの向上
・無料商品を動機づけに来店する親からの売上確保
・長い目で見た新しい客層の確保、拡大
・小さな子供の頃から利用してもらい、慣れ親しみ、大人になっても継続的に使ってもらおうという思い
・お持ち帰り用にパックされた離乳食の販売=物販商品ラインナップの充実

などがあると思います。小さな子どもを持つ親にとって、利用できる店は案外限られています。以前に「子供を遊ばせておけるファミリー専門カフェ」の立ち上げにお仕事で関わらせていただきましたが、オープン半年で予約が取れなくなるほどのニーズがありました。また、離乳食に対するニーズもかなりあることでしょう。スープストックもこの客層、ニーズを狙い、マクドナルドやファミレスのような使い方をしてもらうことを狙っていると思います。

 この先、既存客のなかで新しい環境を許容する層が残り、子育てファミリーの新規層がそれに加わる半面、その新しい環境を敬遠した層が減り、結果が出ることでしょう。既存の店舗に、あとから加えたサービスだと、オペレーションや店内空間の広さや造りから何かしらの不都合が生じ、対策も必要になると思います。今回の試みは客観的にはとてもやさしく、社会貢献にもつながりそうに見えますが、最終的には当事者にあたる利用者の主観が行動、数字となって結果を決めることでしょう。

(文=Business Journal編集部、協力=江間正和/東京未来倶楽部(株)代表)