楽天カード、アマゾン利用時の還元率大幅減は対抗策じゃない?崩れる還元率1%以上

ポイント還元率は不変ではない、低下は今後も起こる?

 還元率が下がるためマスターブランドの楽天カードを使っているアマゾンユーザーは、ほかのブランドに変更したいと思うのではないだろうか。

「残念ながら楽天カードでは国際ブランドの切り替えができません。ですが、楽天カードでは2021年6月1日から現状所持しているカードに加えて、2枚目のカードを作ることができるようになっているんです。2枚目では券種やデザインを変えられるだけではなく、一部カードを除いて国際ブランドもビザ、マスターカード、JCB、アメックスのなかから選択できるようになります。したがって、楽天で追加カードを作ってマスターカード以外の国際ブランドを選択するか、もしくはこれを機にアマゾンカードを作るというのが妥当な対策でしょう」(同)

 今後もこういった還元率の改悪などが起こる可能性があるのかは気になるところ。残念ながら菊地氏いわく、楽天カードが国際ブランドのみならず、ほかの支払いでも還元率を下げる可能性があるとのことだ。

「やはりクレジットカード会社側からすれば、収益をプラスに維持できないのであればビジネスとして成立しませんので、マイナスになるようなことがあれば還元率を落とす動きは起こるでしょう。現に楽天カードはアマゾンでの利用だけでなく、公共料金、税金、国民年金保険料などの支払いは還元率が0.2%に下げられています。楽天カードはどこで利用してもポイント還元率1%以上というのが売りでしたが、今後採算の取れない部分はこのように還元率を下げていく方針に変わったということでしょう。

 楽天カードだけではなく、業界全体としても採算の取れない部分は還元率を下げる波が来ています。しれっとお知らせが来ていて還元率が下げられていたということも珍しくはないので、少しでもポイントを損したくない人は、カード会社からのメールをきちんと確認するなど、見落とさないようにしておいてください」(同)

 ポイント還元率は不変ではなく、時勢とともに変化していくものであるということを理解し、確認を怠らないことが大事になってくるのだろう。

(取材・文=文月/A4studio)