アメリカの起業家、イーロン・マスク氏が買収したTwitterで混乱が続いている。その影響は日本にもおよび、日本法人のTwitter Japanでも先週4日に突如、約半数の社員が解雇されたとの報道も出ており、「ニュース」フィードの更新が一時ストップしたり、「トレンド」入りするキーワードの傾向が変わったという指摘が相次ぎ、「トレンド操作」がトレンド入り。8日16時現在、Twitter Japan広報部に連絡がつかず、同社の公式Twitterアカウントの更新が1日以降ストップするという異常事態となっている。
マスク氏がTwitter買収完了に至るまでには紆余曲折があった。今年4月、マスク氏がTwitter株の9.2%を取得して筆頭株主となったことが明らかとなり、直後にTwitterは、マスク氏が取締役に就任すると発表したが、同月中にはマスク氏はそれを辞退。そして、同月にはマスク氏がTwitterを440億ドル(約5兆6000億円)で買収することで合意したが、その後、一転してマスク氏が買収契約を解除する動きをみせたことを受け、これを不当としてTwitterは裁判所に提訴。結局、マスク氏は再びTwitterへ買収を再提案し、10月に買収は完了した。
そこから混乱は続く。SNS上ではTwitterから突然解雇されたという元社員による報告が相次ぎ、11月4日にはマスク氏は、世界で約半数の社員を解雇したことを認め、その理由についてTwitterで「残念ながら会社は1日あたり400万ドルを超える損失を出しているため、ほかに選択肢はない」と投稿。約3700人の社員を解雇したとみられているが、誤って解雇した元社員に復職を要請しているとも伝えられている。
また、マスク氏は買収前の段階ではTwitterの政治的中立の必要性を訴えていたが、買収後にはTwitter上で、今月投開票のアメリカ中間選挙をめぐって「大統領職が民主党であるならば、私は共和党の議会に投票することをおすすめする」と投稿。さらに買収完了直後からTwitter上で差別的な内容を含む投稿が増加しているとも指摘されるなど、不安要因が続出している。
「以前からマスク氏はTwitter買収の目的について『自由な言論空間を守る』と言っているが、ビジネス的な旨みが見込めなければ手を伸ばすはずはない。Twitterは世界中で4億人もの人が利用しているが、赤字体質から脱却できておらず、マスク氏としては、うまく経営すれば大化けするとの見立てを持っているのかもしれない。だが、投稿への監視を緩めることで差別的な投稿などが増え、“広告離れ”が起きて現在の主な収入源である広告収入が減少するとの見方もあり、いまいちマスク氏の狙いが何なのか、はっきりしない」(全国紙記者)
買収の影響は日本にもおよんでいる。4日、SNS上では、日本法人のTwitter Japanを突然解雇されたという投稿が相次ぎ、日本法人でも約半数の社員が解雇されたとの報道も出ている。また、4日以降、各ジャンルのトレンドワードなども表示される「ニュース」フィードが一時、更新ストップとなり、「トレンド」フィードでそれまで頻繁にランクインしていたジェンダー系やポリコレ系、SDGs系、左翼系のキーワードが激減したという指摘も続出。「トレンド操作」というキーワードがトレンド入りするなど、Twitter側がトレンド表示を“操作”していたのではないかという見方も広がっている。
TwitterはHP上で