マンションを購入すると、住宅ローンの返済額以外に管理費、修繕積立金が毎月かかってきます。これがけっこう負担が大きいので、資金計画の段階でシッカリと確認しておかないと購入後の家計に大きな影響が出てきます。この管理費、修繕積立金にはエリアや築年数帯、戸数規模による違いが大きいので、物件選びに当たって十分注意しておく必要があります。
マンションを購入すると、住宅ローン返済額以外に毎月所定のランニングコストがかかります。共用部の日常的な清掃やエントランスでの来客対応などの管理サービスなどに必要な管理費、建物を維持するために定期的に補修を行う資金を確保する修繕積立金が主なものですが、クルマを持っている人はそれ以外に駐車場料金がかかります。
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、図表1にあるように、首都圏の中古マンションの管理費の平均は1万2321円で、修繕積立金の平均は1万1164円です。合計すると2万3485円で、駐車場料金が場所によって1万円から数万円程度かかりますから、すべて合わせると5万円前後の負担になってくるのがふつうです。
借入額4000万円、金利1.0%、35年元利均等・ボーナスなしの毎月返済額はおよそ11万円ですから、クルマを持っている人だと月々の負担は合計12万円から16万円前後になってしまいます。
この管理費、修繕積立金はエリアによって異なります。東日本レインズによると、首都圏平均の月額管理費と月額修繕積立金の合計は2万3485円ですが、東京都区部が2万4551円と最も高く、次いで横浜・川崎の2万3906円で、反対に埼玉県が2万1310円で一番安くなっています。首都圏のなかでは、マンション価格は千葉県が一番安いのですが、管理費・修繕積立金では千葉県より埼玉県のほうが安くなっています。千葉県のほうが平均の専有面積が広いため、管理費や修繕積立金がやや高くなっているようです。
いずれにしろ、東京都区部と埼玉県の間には月額にして3241円、年間では4万円近い差がありますから、けっこう大きな違いになります。しかも、東京都区部では管理費・修繕積立金以外の駐車場料金が他のエリアより格段に高くなります。場所によっては3万円、4万円も当たり前で都心部の高額物件だと5万円以上も珍しくありません。
中古マンションの場合、築年数帯別の違いにも注意しておく必要があります。月額管理費負担は築年数が長くなるほど安くなる傾向があるのですが、月額修繕積立金は築10年以内のいわゆる築浅物件より、築11年以上の物件のほうが高くなっているのです。
図表2にあるように、管理費は築10年以内が1万4690円と最も高く、築11~20年は1万3860円に下がり、築30年超では9619円と1万円を切ります。築浅と築深では月額5000円以上の差があります。年間では6万円以上の違いになります。管理の内容も最新のマンションほど充実していますから、築浅物件ほど管理費が高い傾向になっています。また、完成から一定期間が経過すると人件費などのアップに対応して管理費も引き上げられるのがふつうですが、管理組合の承認が必要なので、簡単には上げることができないため、こうした差がついているといった事情があるのかもしれません。