次のグラフは、主な肉類と魚(例として鮭、サバ缶水煮)の必須脂肪酸の含有量を表したものです。肉類はオメガ6脂肪酸が多い上に揚げ物など油料理の食材となりますので、肉食が多く魚食が少ないとオメガ6脂肪酸過剰となります。外食でも家庭でも、肉食に偏らず、魚を意識して食べるようにすることも必須脂肪酸バランスの改善に欠かせません。
「日本人の食事摂取基準」では1日あたり1g以上のDHA、EPAを摂取することを推奨しています。
サバやイワシ、サンマの缶詰はDHA、EPAが豊富で、オメガ3脂肪酸を手軽に摂取できます(ただし、ツナ缶のオイル漬けはDHA、EPAは微量で、避けるべきオメガ6脂肪酸が多いのでNGです)。
最近はオメガ3脂肪酸が“体に良い脂肪酸”として広まりつつあり、とても良いことだと思いますが、過剰摂取のオメガ6脂肪酸を減らすことの重要性は広まりません。
テレビや新聞など大手メディアは、オメガ6脂肪酸の多いサラダ油やキャノーラ油、マヨネーズを控えましょうとは報じません。いずれのメーカーも大スポンサーだから忖度しているのです。大手メディアにとってオメガ6脂肪酸過剰摂取問題に触れることは一種のタブーなのです。こうして必須脂肪酸バランスは、オメガ6脂肪酸過剰に振れたままなのです。
必須脂肪酸バランスを整えることは、花粉症やアトピー対策だけに限らず、コロナ禍の健康維持にも役立ちます。この機会に必須脂肪酸バランスを整えた「少油生活」を実践することをお勧めいたします。
身の回りの食品に潜む「隠れ油」と植物油の安全性については、ぜひ拙著をお読みください。
(文=林裕之/植物油研究家、林葉子/知食料理研究家)
●林 裕之 1956年 東京生まれ(植物油研究家)/林 葉子 1954年 東京生まれ(知食料理研究家)
娘のアトピー再発をきっかけに植物油の害を知る。あまり知られていない植物油の正しい情報を知ってもらうべく、「油を変えて美味しく体質改善」をテーマに、レシピ本や料理教室、ブログなどの活動を夫婦で展開中。著書に『「DE-OIL」でキレイになる』(MIDI)、『体に良い油で作る絶品料理 (1)からだがよろこぶ!賢脳・健康レシピ』『体に良い油で作る絶品料理 (2)あたまがよろこぶ!賢脳・健康レシピ』(ともにダイナミックセラーズ出版)『その病気、その疲労、「隠れ油」が原因です!』(三笠書房)などがある。。
ブログ:「『DE-OIL』でキレイになる」…オメガ3系の油“アマニ油、えごま油” で体質改善。体と頭に効く油別の料理ブログ。