家庭の油が一番の原因?花粉症やアトピーから開放された筆者の「少油生活」

【オメガ6脂肪酸摂取状況チェック】

※チェックの数が多いほどリノール酸の過剰状態が疑われます。

・揚げ物をよく食べる(唐揚げ、コロッケ、トンカツ、天ぷら、ポテトフライなど)

・調理に炒めものが多い(餃子、肉野菜炒め、ハムエッグ、焼きそば、パスタなど)

・魚介類より肉類を食べることが多い

・ファストフードを食べることが多い(ハンバーガー、フライドチキン、ピザ、ドーナッツなど)

・スナック菓子をよく食べる(ポテトチップスなど)

・和菓子より洋菓子をよく食べる(クッキー、チョコレート、ケーキなど)

・バターよりマーガリンをよく使う

・マヨネーズをよく使う

・サラダ油やキャノーラ油、ごま油をよく使う

・ノンオイルではないドレッシングをよく使う

【オメガ3脂肪酸摂取状況チェック】

※チェックの数が少ないほどオメガ3脂肪酸の摂取不足が疑われます。

・魚をよく食べる

・アマニ油やエゴマ油などオメガ3系の油をよく使う

・オメガ3脂肪酸(アルファリノレン酸、DHA、EPA)系のサプリを摂っている

 オメガ6脂肪酸摂取のチェック項目が多く、オメガ3脂肪酸のチェック項目が少ないのは意図したことではなく、現代人の「普通の食事」を観察していると、どうしても油脂を使った食品が多いため、リノール酸摂取のチェック項目が多くなってしまうのです。揚げ物が好きで“マヨラー”だった、かつての筆者もリノール酸過剰の食生活でした。

必須脂肪酸バランスを改善しよう

 必須脂肪酸バランスを改善するには、摂り過ぎのオメガ6脂肪酸を減らし、不足しがちなオメガ3脂肪酸を増やすというシンプルな策しかありません。

 外食や中食(惣菜やコンビニ弁当など)をする際には、加工食品の場合は油の少ないものを選べばよいのですが、実はこれがとても難しいのです。油を使っていない食べ物は非常に少ないですし、外からではわからない“隠れ油”も多いのが実情です。したがって、「外食や中食の時は、できるだけ油の少ないものを選びましょう」としか言いようがありません。

 ただ、最近の大手外食産業やファストフード店で使われる業務用油は、パーム油とサラダ油などの混合油が多くなってきています。パーム油は食卓ではあまり馴染みがないですが、トランス脂肪酸低減対策として使われだしました。また、比較的リノール酸が少ないので、外食でのリノール酸摂取量は以前と比べれば少し減っているとも考えられますが、油断大敵です。パーム油そのものの安全性を疑問視する報告もあるので、油脂食品を控えめにすることが大切です。

家庭の油が一番危ないが、コントロールもしやすい

 なんといってもオメガ6脂肪酸の含有量が多いのは、家庭でよく使うサラダ油、キャノーラ油、ゴマ油などの植物油と、それらを原料にしたマーガリンやマヨネーズです。逆にいえば、これらを減らすことで、オメガ6脂肪酸の摂取量はコントロールしやすくなります。

 下記のグラフは、家庭でよく使われる食用油脂とオメガ3脂肪酸の多いアマニ油(エゴマ油もほぼ同じ)を比較したものです。それぞれ大さじ1杯(12g)に含まれる量なので、赤の多い油を減らし青の多い油を増やすことで、必須脂肪酸バランスはコントロールできるのです。

 それぞれの摂取目安量は、2020年版「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)に掲載されており、成人の1日あたりの摂取目安は、オメガ6脂肪酸が8~11g、オメガ3脂肪酸が1.6~2.2gとされています。

 目安は、ほかの食材を含めた1日の食事全体からの摂取量なので、家庭で使うオメガ6脂肪酸の多い油をコントロールすることが、摂取バランスを左右するキモといっても過言ではありません。文字通り大さじ1杯分のさじ加減が重要なのです(参考資料:農林水産省「脂質による健康影響」)。