ゴルフ場最大手アコーディア、なぜファンドのマネーゲームの道具に?翻弄の連続

誤算の数々

 アコーディアの経営権を握った大和証券グループにとって、最大の誤算だったのはレノが450億円の自社株買いを実施してからも、一部の株式を売却しただけで大株主として残ったことだ。アコーディアの経営陣にプレッシャーをかけ続けた。

 レノとの関係を断ち切るため大和証券はアコーディアにMBKを紹介した。MBKは16年末にアコーディアに友好的TOBを行い、レノの持ち分18.9%を含む全株式を取得。17年1月に完全子会社にし、同年3月に東証1部の上場を廃止した。

 MBKはアコーディアの再上場によって投下資金の回収を目指す。アコーディアは20年6月、シンガポール証券取引所に上場しているREIT、AGTから日本のゴルフ場88カ所を618億円で買い戻した。ゴルフ場の土地をも保有することになったゴルフ場運営会社のアコーディアをMBKはソフトバンクグループ系の米投資ファンドのフォートレスに、推定4000億円で売却したことになる。MBKは高値で売り抜けることに成功したことになるのだろう。

 フォートレスは投資ファンドである。MBKと同様、数年後にはアコーディア株を売却して資金を回収するとみられる。アコーディアはファンド間で転がされるマネーゲームのカードという宿命を背負い続けることになるわけだ。

(文=編集部)