ウマ娘の快進撃が止まらない本当の理由とは?クラブハウス“爆死”の裏で音声配信が活況

日影 いわゆる「絵師」でなくてもできる二次創作ですね。こういったつくりやすい二次創作がミーム(文化の中で人から人へと広がっていくアイデア)として広がっていっているわけです。また、今の若い方はこういったオタク趣味に対して「負い目」的なものがない、という時代の雰囲気も追い風になっていますね。こういった動画をきっかけにウマ娘を知り、ゲーム本体に流れていく……という動きも生まれていくかもしれません。

クラブハウス“爆死”の裏で躍進アプリも

日影 また、4~6月は「Voicy」「Spoon」という2つの音声配信アプリがユーザー数を伸ばし、過去最高を記録しています。ただ、それぞれ雰囲気や利用状況は異なります。Voicyは日本経済新聞や毎日新聞のチャンネルがあるなど「勉強、学習」色があり、視聴時間も朝7時くらいが多く「朝活」での利用が推察されます。一方、Spoonは「歌ってみた」などのオタク系エンタメコンテンツが多いため、利用時間帯は夜間が多いですね。

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――音声配信といえば、前回は「クラブハウス」の“爆死”がありましたよね……。

日影 はい。ですが、クラブハウスの影響で音声配信の認知が高まり、他の音声配信アプリの裾野が広がった感はありますね。

――ツイッターの音声サービス「Spaces」がアプリ上で本格展開され、YouTubeでも静止画しか映さずに音声コンテンツのように配信している人もいます。すでに使われているメジャープラットフォームでも「事足りている」環境で、独自の音声アプリが気を吐いている、というのはおもしろいですね。

日影 やはり、プラットフォーム独特の雰囲気や文化に惹かれて、というのはあるでしょうね。YouTubeやツイッターのような巨大プラットフォーマーが音声コンテンツを始めたからといって、全員がそちらに流れるわけではありません。前編でSNS「Gravity」の話をしましたが、プラットフォームは巨大になればなるほど、その反動で別のサービスに流れるユーザーが増える、という動きも生まれます。そういう意味では、ニッチなアプリが増えていくのは必然とも言えます。日本ではわずかなように見えても、世界で積み上げればたくさんのユーザーになりますからね。

(構成=石徹白未亜/ライター)