「プチプチ(R)」を製造販売する川上産業株式会社(東京都千代田区)が、「ハサミなどを使わずとも手で簡単にまっすぐ切れる」プチプチ、その名も「スパスパ」を開発したことが話題になっている。
同社のHPに掲載されているスパスパの紹介動画では、手で軽く引っ張るだけで横にも縦にもスムーズに切れる様子が公開。まるで「さけるチーズ」のように、まっすぐキレイに切れているのが実に気持ちいい!
【後編「スパスパvsプチプチ徹底検証バトル…見よ、この美しい切れ味を!手で簡単に切れて超便利」はこちら】
このところ、長引くコロナ禍で外出を自粛する傾向が強まり、宅配サービスやフリマアプリの利用が以前にも増して増えているのはよく知られているところ。この6月にも、フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリが、2021年6月期(2020年7月~2021年6月)の通期業績予想を公表、当初の見通しを覆す売上高約1060億円、純利益約50億円となることが報じられニュースとなったばかりだ。
そんなフリマアプリで欠かせないものこそ、ご存じプチプチ。フリマアプリで売れた商品を発送する際に使用する緩衝材、梱包材として、いまやコンビニや100円ショップなどでも購入可能な定番商品となっている。
しかしこのプチプチには、大きな弱点があった。「手で引っ張ってもまっすぐ切れない」のである。「そんなの、梱包材なんだからしょうがないじゃん」「ハサミやカッターを使えばいいじゃん」と言うことなかれ。ヒット商品とは常に、「ちょっとした不便」を解消するなかで生まれるものなのだ!
というわけで生まれたのが、プチプチの進化版「スパスパ」。梱包時のみならず、よく考えれば梱包されたその商品が購入者に届いた際の開封時の手間もまた少なくなる!わけで、頻繁に商品を発送・購入しているフリマアプリユーザーにとっては、まさにかゆいところに手が届く商品といえよう。
というわけで本サイトは今回、このスパスパを開発した川上産業に、スパスパの開発に至った経緯について話を聞いてみた。回答してくれたのは、同社の「プチプチ文化研究所」(略してプ文研)の所長・杉山さんである。
「スパスパ誕生にはやはり、ネット通販やフリマアプリによって個人間取引が増え、小売業者のみならず個人がモノを包んで発送する機会が増加していることが大きく関係していますね。これによって、『大切なモノを、より簡単で楽に、しかしきれいに包みたい』『できるだけ輸送コストを安くしたい』というニーズが大きくなっているため、それに応えるべく、新商品の開発に取り組んだのです!」(杉山さん)
しかし、簡単で楽に包めるということはすなわち、梱包材として使用する際にはすぐに破れてしまうのでは……?
「そうなんです! そこで我が社では、梱包材としての強度を保持したまま、しかし手で切りたい時にはまっすぐ簡単に切れるよう、粒(空気の入ったプチプチ部分)の形状やその粒の配列を工夫し、しかも粒と粒の間のミゾ部分に特殊加工を施しました。その結果、“手で簡単に切れるけど丈夫”という、相反する2つの利点が両立したこの画期的な商品『スパスパ』の開発に成功したのです!」(杉山さん)