国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
関東甲信、東北は7月16日に梅雨明けしましたが、四国と近畿、東海はまだのようです。豪雨の被害も心配ですね。被災されたみなさまにおかれましては、衷心よりお見舞い申し上げます。
一方、菅義偉政権には暗雲が立ち込めたままですね。7月16日の時事通信の調査によると、内閣支持率が29.3%と過去最低を更新する一方で、不支持率は49.8%と先月より5.6ポイントも上がっています。また、自民党の政党支持率も21.4%と、先月より1.4ポイント減になっています。
内閣支持率は先月の調査から3.8ポイントも下がり、政権運営が困難な「危険水域」と言われる30%を切ったことで、国内外から冷ややかな視線が送られていますね。
「内閣支持率と政党支持率の合計が50%を下回ると政権が倒れる」
これは都市伝説ではなく、「青木率」と呼ばれる法則です。自民党参議院議員会長などを歴任して参議院のドンと呼ばれた青木幹雄元内閣官房長官が提唱したもので、「青木方程式」「青木の法則」などとも言われています。
今時は永田町でも若い人は知らない言葉ですが、けっこう当たっていると思います。この青木率によると、今回の調査では合計が50.7%ですから、かなり危ないラインまで来ていると言えるでしょう。これまでも支持率はじわじわと下がっていましたが、やはりコロナ対策のお酒の規制問題がとどめをさしたのではないでしょうか。
以前の菅首相の「予定」では、東京オリンピックを理由に自民党総裁選(9月末任期)を衆議院議員任期(10月21日)よりも後回しにするはずでした。総選挙で勝利して存在感を示してから、自民党総裁選で再選を狙うというシナリオですが、このまま支持率が低下すれば、総選挙で自民党が勝てない可能性も出てきます。
都議選も当初の予想と大きくかけ離れた結果になってしまい、今の自民党内は総選挙の敗北への不安に包まれている状態です。この雰囲気を一掃できずに、総裁選期日を決める8月末までに二階俊博自民党幹事長や麻生太郎財務大臣あたりが「総裁選は後回しにすべきでない」と言い出せば、菅首相は総理の座から引きずり降ろされてしまうでしょう。
もうひとつ、8月22日投開票の横浜市長選も注目されています。菅首相のお膝元なので負けるわけにはいかないのですが、肝心の自民党神奈川県連が一枚岩になれず、自主投票となったことが報道されましたね。
今回は横浜生まれ・横浜育ちの小此木八郎前国家公安委員長が閣僚の座を辞してまで立候補するということで、話題になっています。自民党が推進してきたカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の取りやめを掲げて、推進派と対立する形になったので自主投票となったのですが、県連所属の国会議員のほとんどは小此木陣営を手伝うようです。
菅首相と親しい国会議員も秘書を選挙事務所専属で派遣していますし、自民党の横浜市議も選対事務所に顔を出しているそうで、構図がよくわかりません。ちなみに、現職の林文子市長は4期目への挑戦ですが、75歳の高齢ということで、自民党は推薦を見送っています。
それにしても、新型コロナウイルスの感染拡大は収まりませんね。
7月8日に開かれた宏池会(岸田文雄会長)の派閥パーティーでクラスターが発生したことが報道されました。7月13日に小林史明衆議院議員の秘書ほか2名、7月14日に午前2名、午後1名、7月15日1名と、合計6人の感染の報告がありました。岸田前政調会長も濃厚接触者に指定されましたが、幸い陰性だったようです。