三菱商事の屈辱、商社4位に転落、丸紅にも敗北…垣内社長の経営責任問題が焦点に

 住商と丸紅の時価総額の差は21年年初に5000億円あったが、およそ半分の水準にまで縮小した。22年3月期の最終利益は両社とも2300億円の見込み。激しいつばぜり合いが予想される。

伊藤忠、3カ年計画で6000億円の最終利益を目指す

 伊藤忠は連結における好決算の余勢を駆って、24年3月期までの中期3カ年計画を発表した。それによると期中に6000億円の最終利益を達成し、年間配当は1株100円を目標にする。年間配当は22年3月期が同94円の予定で、「業績を上方修正すればさらに増配する」方針。21年同期は同88円だった。

 岡藤会長は異例の長期政権となっているが、「首位の地位を不動にするまでトップとして君臨する」(岡藤氏の周辺)と考えているようだ。カリスマ経営者の引き際は「最終利益6000億円を余裕を残して達成できるかどうかにかかっている」(同)。

 確かに連結決算レベルでは利益が着実に増えている。22年3月期の利益予想5500億円はアナリスト10人のコンセンサスの平均(5163億円)を上回っている。株式市場の期待に応えており、株価は上場来の最高値(3656円、4月1日)をつけている。永遠のライバルの三菱商事は“ポスト垣内”を誰にするかが重要になる。三菱グループの主要企業が軒並み斜陽といわれるなか、三菱商事がいち早く回復軌道に戻れるのかどうか。まさにトップの人選にかかっている。

(文=編集部)