実際、茨城県の旅館がアンコウラーメンを始めて大人気となり行列ができているというニュースがありましたが、ラーメン好きなら日本全国を食べ歩く人が少なくないですから、チャレンジする価値はありそうです。それにラーメンなら滞店時間も短いでしょうし、一人で来れば誰とも会話しないので飛沫感染のリスクも低い。ほかにも話題性がある「超低価格」「デカ盛り」などのメニューを開発すれば、プレスリリースを出して地元テレビなどの取材が来ることも期待できます。
個人が参入しやすいものとしては、これまでも繰り返し述べているとおり、「コンテンツビジネス」です。なぜなら、デジタルで受発注・納品・流通・課金が容易だからです。このコラムの仕事もそうですし、写真・楽曲・動画・イラスト・マンガをつくって売るという方法もあります。特に今後5Gが主流となれば、動画マーケティング、YouTubeビジネスも拡大するとは思います。
しかし、競争が激しいのも事実。それに、YouTubeに依存すると、広告単価の削減やアカウント凍結などになれば大打撃ですから、やはり自前で何かをやるほうがいい。
個人ができるコンテンツビジネスの最有力候補は、やはり「教える」、いわゆる「先生ビジネス」です。先生ビジネスなら差別化も比較的容易です。オンラインレッスンだけではなく、DVD化・PDF化、オンラインサロン、「教える人を養成する」インストラクター講座などなど、幅広い展開が期待でき、ほとんどコストもかかりません。
「人に教えられるようなものなんてない」と思っても大丈夫。まだ自分の域に達していない人をターゲットにすればいいのです。「お金をいただけるようなものは持っていない」と思っても、お金を払いたくなるサービスにすればいいのです。たとえば「英語が得意だけど英会話教室は競合が多くてムリ」としても、ライザップの英語版のように「英語学習マネジメントサポートで短期間で得点力アップ!」というサービスなら、競争はぐっと少なくなります。
あるいは、個人のスキルを個人に教える「ストアカ」「ココナラ」といったサービスを利用すれば、自分が持っているものが売れるかどうかテストできます。売れなければ開催中止にすればいいだけなので、リスクはまったくありません。そうやってやれることは全部やり、収入源を多様化させていくことです。
(文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役)