片岡篤史さん、コロナ感染配信の裏側…無観客開幕のプロ野球、春夏中止の高校野球への思い

 一方、パ・リーグは開幕3連戦の後に6連戦×2カードが待っている。埼玉西武ライオンズは15試合すべてがメットライフドームで行われる。福岡ソフトバンクホークスは福岡PayPayドームで千葉ロッテマリーンズと開幕3連戦を戦った後に西武と6連戦、北海道日本ハムファイターズと札幌ドームで6連戦となっている。

 また、オールスターゲームとセ・パ交流戦は中止、クライマックスシリーズ(CS)はセが中止、パは日程短縮で実施の予定と、あらゆる面で異例のシーズンとなる。

「例年より23試合少ない120試合でCSもない場合、どうしても消化ゲームが出てきます。そうなると、先行したチームが有利です。開幕からのスタートダッシュがペナントのゆくえを左右するでしょう」

春夏中止の高校野球への思い

 片岡さんといえば、PL学園高校時代に甲子園で春夏連覇を成し遂げているが、今年は史上初めて春夏ともに全国高校野球大会が中止となった。やりきれない思いの高校球児も多いことだろう。

「かわいそうで仕方ありません。自分のときも、歯をくいしばって、1年生の頃からつらいことにも耐えてきました。もし僕が同じ立場だったら、これ以上ないほど落ち込んでいたと思います」

 日本ハム、阪神タイガースで活躍後に引退した片岡さんは、2014年に阪神のジュニアチームで子どもたちを指導していた。

「そのときに指導していた子どもたちの中に、センバツ出場が決まっていた選手もいました。甲子園に出たい、という思いを持って野球をやっていただけに、本当に胸が痛い。『がんばれ』などと簡単には言えません。かける言葉がないです……」

 試合で負ければあきらめがつくのも高校野球だが、今年はその機会すら奪われてしまったことになる。野球に懸けた選手たちのやりきれなさ、プロを夢見る球児たちの挑戦……。

「それらが再び花開くことを願うばかりです」と片岡さんが締めてくれた直後、センバツ代表校による甲子園での交流試合開催が決まった。雨天中止にならぬことを祈るばかりだ。

(文=小川隆行/フリーライター)