「(PCR検査で陽性判定が出た読売ジャイアンツの坂本勇人選手らが)微陽性だったと報道されて、ホッとしました。感染が広がらず、無事に開幕することだけを願っています」
4月上旬、新型コロナウイルスに感染して闘病生活を余儀なくされた、元プロ野球選手の片岡篤史さん。目に見えないウイルスとの戦いに負けず、無事に生還し、励ましの言葉をくれた多くの球界関係者を安堵させた。「(PL学園高校の先輩である)清原和博さんは毎日LINEで励ましてくれました」と語る。
ユーチューバーとしても活動している片岡さんは、コロナに苦しんだ日々を自身の「片岡篤史チャンネル」の中で赤裸々に告白している。
上記は「熱が下がってきてだいぶ楽になってきた様子」だ。
4月7日の夜、体調の悪化に気付き、救急外来で診療を受けた片岡さんは、完全防護服を身にまとった看護師さんからPCR検査を受け、陽性と判明、すぐに入院した。
退院後は、同じく元プロ野球選手で現在はユーチューバーとしても活動する高木豊さんが聞き手となり、以下の動画を配信した。コロナに感染してからの数日間について、詳しく語っている。
「私自身、伝えるべきか否か、かなり悩みました。コロナは怖いということをわかってもらったほうがいいんじゃないかと思い、配信させてもらいました」と片岡さんは語る。
感染した場合、どのような症状が待っているかが未知数なのも、コロナの怖い点だ。片岡さんは、感染防止に対する思いを次のように述べてくれた。
「日本の感染者数と死亡者数は世界的に見ても少ないですが、感染すれば広がっていきます。国の感染防止策に従ってやっていくしかありません。おそらく、第二波はやってきます。『with コロナ』と言われる通り、ワクチンができるまでは、コロナとの共存を意識して生活していかないといけないでしょう。念には念を、の思いが必要です」
そして、「医療従事者のみなさんには感謝しかありません。本当にありがとうございます」と改めて語る。
プロ野球は当初の予定から約3カ月遅れで、6月19日に開幕する予定だ。ただし、当面は無観客での開催となる。
「プロ野球の開幕戦というのは、私たちにとって正月です。お客さんの声援を受けてグラウンドに立つために、選手たちはがんばっているんです。ホームチームの場合、チャンスの際の声援が励みになり、ビジターチームには目に見えないプレッシャーがかかります。仕方ないこととはいえ、あの独特の雰囲気を味わえないのは、さびしい限りです。
今シーズンは調整も難しかったですね。開幕が延期となり、選手たちは4月と5月はゴールの見えないマラソンをしているような感覚だったでしょう。シーズン途中で感染者が出た場合は中断もあり得るだけに、今は無事に開幕することを祈るばかりです」
今季は試合数が143試合から120試合に減少し、過密日程となる。また、移動を極力少なくするために変則的なスケジュールとなっている。
たとえば、セ・リーグでは、巨人は開幕からの3連戦×5カードがすべて東京ドームと神宮球場で行われる。東京ヤクルトスワローズは開幕からの5カードすべてが神宮だ。横浜DeNAベイスターズも横浜スタジアムで3カードの後に東京ドームと神宮、といった具合だ。