賃貸の家賃は最大の無駄…年収400万円を超えたら家を買うべき!住宅ローン返済の方がトク

 日本の金融機関では新卒入社後3カ月すぎれば本採用とみなし、住宅ローンの審査対象者になる。名前の通った大企業にいれば、頭金さえ用意できればすぐにも家が買えるのだ。

 会社員の最大のメリットは社会的信用である。その信用が活かせる最大のチャンスこそ、超低利で借りられる住宅ローンなのだ。自らの有利なポジションを最大限活用する方法として、「新卒3カ月で家を買う」というのは道理にかなった行動だ。

 ただし、ここでひとつのハードルがある。それは、金融機関の住宅ローンの審査では年収400万円がひとつのボーダーラインになっているからだ。これ以下だと、年収に対する借入額が伸びない。そうなると、都心に近い物件が買えない。そんな場合、まずは年収400万円以上を目指そう。

 この年収要件をクリアできたなら、会社勤めの若手は年収の7倍から、多い人では10倍以上のお金を借りることができる。大卒1年目で年収400万円の人であれば、ざっと3000万から4000万円。これだけあれば、1人暮らしには十分な家を都内に持つことができる。それが可能な立場であれば、あれこれ考えずに買ってしまうことだ。

得する自宅の選び方

 しかし、私に限っては住居費の生涯コストがゼロになりそうだ。実家暮らしでもないし、社宅暮らしでもない。持ち家を購入して、資産が増えているからだ。どういうことかというと、購入したマンションが値上がりしているため、売ると利益が生まれ、返済していた住宅ローンの元本が全額現金で戻ってくるのだ。

 無料で住んでいるというより、お金をもらいながら住んでいるに等しい。こうしている人は、少なくとも20万人はいる。そんなに難しいことではなく、誰もが学習すればできることだ。その証拠に、弊社が運営している「住まいサーフィン」という無料会員制サイトには25万人の会員がいて、私が説明している動画を見るだけで、その方法は容易に理解することができる。会員の平均利益は実績で2200万円である。

 このように、購入したマンションで儲けるには物件選びが重要になる。ファミリータイプよりも単身向けの物件のほうが立地条件は厳しくなるので、必ず守ってほしい。単身者は「都心で、駅近」の物件を選ぼう。推奨はJR山手線の内側で、駅から徒歩4分以内だ。価格は張るが、売ることを前提に考えると、この条件を満たしてほしい。30平米以上であれば、住宅ローンを借りることができる。

 こうして選んだ物件は売ることができるので、いつでも引っ越しができるということだ。結婚して新居に移転してもいいし、転勤になったら他人に貸してもいい。これらの条件を満たせば、「住んでよし、売ってよし、貸してよし」の3条件をクリアしたことになり、単身者の自宅購入の成功が約束される。簡単な条件なので、我が事として動いて、資産形成するだけでなく、老後のキャッシュフローを軽くしておきたいところだ。

家賃を節約する方法

 購入するために必要なのは初期費用の準備だ。今は諸費用ローンがあるとはいえ、物件価格の約8%が手元にないと、引っ越し代やカーテン代などが心許ない。家賃でいうと2年分だ。まずはこれを用意しよう。方法は2つある。

 ひとつは、実家があるなら実家にいてお金を貯めよう。家を出たい気持ちもあるだろうが、最初のボタンをかけ間違えると抜け出せなくなる可能性が高くなる。じっと我慢する期間を最小にすることも考えよう。

 親からまとまったお金を借りるのも一考だ。そのお金はゆっくりでも返すか、暦年贈与として年110万円の無税枠を使って返さないという手もある。いずれにしても、個人の信用がない中では身内しか借りる相手はいない。

 次に、就職先の住宅補助規定をうまく使おう。2020年時点で有効求人倍率は未曽有の高さを維持している。職を求める人よりも求人のほうが圧倒的に多い状況なので、会社側も人の確保のために福利厚生制度を充実させている。実際、社宅や寮を準備する会社は増えているし、一定家賃まで会社が負担してくれる借り上げ社宅制度が充実してきている。定年まで12万円まで補助される会社もあるほどだ。

(文=沖有人/スタイルアクト(株)代表取締役、不動産コンサルタント)