(4)英語力(特にグローバルファームの場合)
特に大企業の支援をメインにしているコンサルティングファームの場合、クライアントとなる大企業がグローバル企業であることが多いため、必然的にグローバルなコンサルティング案件を取り扱うファームが多くなります。英語をまったく使わない案件も多数あるので、英語が堪能でなくても活躍の場はもちろんありますが、担当できる案件が少し限定されてしまうため、英語力がビジネスレベル以上である場合には加点要素となります。稀に、ビジネスレベル以上の英語力が必須要件となっているファームもあります。
無事に書類選考が通過となった場合、次に筆記試験が行われることが一般的です。ファームによっては筆記試験がなかったり、面接フェーズの中盤や終盤で筆記試験が実施される場合もあります。試験タイプはSPIや玉手箱、GABなどが一般的で、ファームによっては独自問題を出題する場合もあります。選考のポイントは当然ながら「合格水準に到達しているか否か」ですので、がんばって試験勉強をして高い点数を取るしか通過の方法はありません。そうはいっても、解く際に注意すべきポイントはありますので、それについては後述いたします。
1.3.1 どれぐらいあるのか
面接の回数ですが、総合系コンサルティングファームであれば3回程度で終わることが一般的です。戦略系コンサルティングファームの場合はファームによって異なり、3回程度で終わる場合もあれば、5、6回やそれ以上続く場合などもあります。
1.3.2 誰が選考するのか
序盤は現場のマネージャーランク(30歳程度)~シニアマネージャーランク(30代後半程度)の方が面接官を担当することが多く、選考が進むにつれて面接官のランクも上位になっていきます。最終フェーズになるとパートナーランク(=事業部長、役員クラス)の方が面接官を務めることが多いです。
1.3.3 何が聞かれるのか
これさえ準備しておけば大丈夫といったものはもちろんありませんが、具体的な質問としては、
・なぜコンサルタントになりたいのか
・コンサルタントになって何がしたいのか
・現職の経験から何が活かせるのか
・現職でどんな事を考えながら仕事をして、どんな工夫をしてきたのか
・自社の課題は何か
といったことがよく聞かれます。また、戦略系コンサルティングファームではケース問題といわれる問題がよく出題されますが、ここではその詳細については割愛させていただきます。
1.3.4 何を見ているのか
上記のような質疑をする中で、面接官は大きく3つ、(1)パーソナルスキル、(2)業務スキル、(3)プロフェッショナルマインドを主に見ています。
(1)パーソナルスキル
ロジカルシンキングやコミュニケーションスキルに代表されるような、いわばコンサルタントとしての土台の部分であり、「情報を正確にインプットし、構造的・論理的に整理・考察し、相手にわかりやすく伝える」といった一連のプロセスを遂行する総合的なスキルを指します。
(2)業務スキル
上記のようなコンサルタントとしてのパーソナルスキル、すなわち土台の上に乗っているもので、業界や業務領域などの観点で具体的にどんな知識があるのかといったスキルを指します。
(3)プロフェッショナルマインド
コンサルタントという職業はプロフェッショナル職ですので、上記のようなスキルの有無だけでなくマインド面での適性もチェックされます。
今回は以上となります。次回は、各選考プロセスにおける対策のポイントについてお伝えします。
(文=成塚健史/ムービン・ストラテジック・キャリア)
【筆者プロフィール】
成塚 健史
慶應義塾大学理工学部卒業。キヤノン、日立コンサルティングを経てムービン・ストラテジック・キャリアに入社。同社では、製造業や商社の方を中心としたコンサルティングファームへの転職支援ならびにコンサルティングファーム出身者のポストコンサル転職支援等に従事。
ビズリーチのヘッドハンターランクにてSランク獲得(執筆時)
20年以上にわたり日本初のコンサル転職支援特化エージェントとして、コンサルティング業界への転職活動を支援。長年実績を重ねてきた結果、複数の媒体から日本No.1のエージェント表彰を受けるなど、コンサルティング業界に関する専門家集団としてのユニークなポジショニングを確立しております。