Netflixの日本国内のメンバー数(世帯)が2024年上半期時点で1000万件を突破したことが12月4日に公式発表されました。大台に乗ったことは大きなインパクトを与えるものです。日本の総世帯数は約5000万世帯ですから、5世帯のうち1世帯が加入していることになります。
Netflixで配信されるドラマは今や地上波ドラマと同じような影響力を持っていると言えます。場合によっては、過去に視聴率20%を記録した「半沢直樹」や「逃げるは恥だが役に立つ」のような社会現象を起こすこともあり得るのではないでしょうか。
実際、ドラマ「地面師たち」で登場する不動産詐欺師のひとり、後藤(ピエール瀧)の常套句「もうええでしょう」が今年の流行語大賞トップ10に入っていますから、、現実味を帯びる話です。
有料サービスでなおかつ外資系のNetflixのマス化がここまで進むとは、日本上陸した2015年の時点では誰も予想していなかったのかもしれません。日本のNetflixコンテンツを統括するNetflix コンテンツ部門 バイス・プレジデントの坂本和隆氏もこれまでの約10年の道のりを振り返りながら「正直に言うと、最初の3年間は大変な時期だった」と話しています。
上陸当初はとにかくコンテンツ数を揃えるため作品を購入することに専念しながら、又吉直樹原作ドラマ「火花」などNetflix日本オリジナルの作品制作も試みていたそうですが、結果は振るわず。
「日本の作品がなかなか全世界に広がらず、アメリカからの信頼度が非常に低かったのは事実。期待値を作り上げる必要がありました。お金があるように見られがちですが、まったくもって違う。外資だからこそうまくいかなかったら容赦ないのです」(坂本氏)
そんな苦労があったものの、日本の作品人気は爆上がり。これまで約100を数える日本作品がNetflix公式グローバルランキングにTOP10入りする実績を作っています(公式ランキングを公表開始した2021年11月以降の集計)。またNetflixは190の国と地域で展開され、全世界のNetflixのメンバー数は2億8300万件(2024年9月時点)に上るわけですが、2024年上半期(1~6月)集計の非英語作品の中で、日本語の作品は韓国語に続き2番目に多く視聴されたことがわかっています。
今年は次々と話題作も生まれました。日本のNetflix公式ランキング「Netflix週間TOP10」で週を跨いで1位を獲得した実写作品には「地面師たち」(6週連続1位)、「忍びの家 House of Ninjas」(4週連続1位)、『シティーハンター』(3週連続1位)、「極悪女王」(3週連続1位)が並びます。