大切な相手や、お世話になった方、新しくチームに加わってくれたメンバーなどを、距離を縮めるために食事などへ誘う場面を考えてみましょう。照れくさい方や、断られることを想像してためらってしまう方に役立つ伝え方を集めました。
まず大切なのは、相手が返事に困らない伝え方をすることです。「○月○日、空いてます?」といきなり予定を聞いてしまうと、何が始まるのか相手は想像もつかないので、空いていても素直に返事をしにくいでしょう。距離を縮めたいはずが、警戒されてしまうことにもなりかねません。
「行ってみたいお店があるから」と行きたい場所を提案してみる。「日頃のお礼をしたいから」と意図を伝える。「最近SNSで話題だから気になってて」と理由を添える。「夏の球場で飲むビールが最高で」と好きなポイントを紹介する。
ただ誘うだけだと直接的ですので、提案に変えてしまいましょう。直接的に誘うと、Yes/Noで答えられてしまい、もし断られたときにはダメージがデカくなってしまいます。提案であれば、断られても違う提案をできるチャンスが残りますから。
一度聞いたら忘れられないような魅力的なメッセージは、確かに存在します。相手の感情を動かし、お誘いにつなげるためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。コピーも短い文字数の中で、読み手の心に良い引っかかりを作らねばなりません。いくつかポイントをご紹介します。
①具体的である
言葉を読んだだけで、自分もまるでそこにいるかのように、情景が浮かんでくる。具体的であることは情報を視覚化しやすく、想像によって実感しやすくします。
例えば、「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」(ルミネ/2008年・尾形真理子)というコピーがあります。「試着室」というワードはもちろんですが、「本気の」という形容詞もまた、ただの恋ではない強さがあります。脳内で恋の思い出を振り返るトリガーとして、具体的なワードは機能するのです。
②発見がある
知らなかったことを知ることができた。その驚きは、とても強いものです。幼い頃に初めて知ったことを何年経っても思い出せる、そんな経験はありませんか。
日本では感情のことを大きく「喜怒哀楽」の4つに分類しますが、哲学者のデカルトによれば「驚き・愛・憎しみ・欲望・喜び・悲しみ」という6つの情念があるそうです。そしてその中でも、驚きはいちばん最初にやってくるものと述べられています。そこから、愛や喜びといったものに発展していくのです。
なかなかハードルが高く思えるかもしれませんが、思わずハッとさせられるようなものじゃなくても、「へえ、知らなかった」と感じてもらえればそれは十分驚きです。
話題のスポット、意外なお店、見慣れない食べ物に飲み物。いろんなネタが日々世の中を賑わせています。相手の趣味や好みにも左右されますが、相手の知らないようなことを伝えることができれば、それはとても強力なお誘いになりうるのです。
③ストーリーが想像できる
こんな経緯があったのか。行くとこんなことが待っているのか。あなたがお誘いする瞬間を今とするなら、その前後を想像できるのが良い提案です。