AIを活用したウェブ検索が普及すれば、これまでよりも少しは人々が情報を入手しやすくなると考えられる。
しかし、そこには倫理的に考慮すべき問題もある。例えばAIが生成する検索結果における潜在的な偏りや、ChatGPTでも話題になった「幻覚」のような、誤った情報や偽情報の拡散、検索を通じてユーザーの行動を追跡・分析するなどといったプライバシーに関する問題などが懸念される。
また、検索エンジンが直接的な回答を提供することで、AIが利用する一次ソースとなるウェブサイトへのトラフィックが減少し、その結果、コンテンツ製作者が不利益を被る可能性にも対処する必要がある。
そのほか、AIと人間によるキュレーションのバランス、信頼と透明性の重要性、AI生成コンテンツの倫理的な影響なども、やはりこれから慎重に検討すべき事柄だ。
AIテクノロジーの進歩は今後もいろいろな場面で情報の扱い方を変えていくだろう。SearchGPTの登場は、検索エンジンの分野における大きな進歩となる可能性がある。自然な会話による検索、直接的な回答、情報ソースの透明性への取り組み次第では、われわれのインターネットでの情報入手のしかたが、ガラリと変わる可能性もありそうだ。