部下と上司の関係「ちょいゆる感」が実は重要な訳

つまり、何か仕事をする際に、「目的」と「手段」を切り分けて明確にする必要があるということです。

しかし、「目的」と「手段」を明確にしないまま仕事をしているケースは、世の中でよく見られます。目的が何かもわからないまま、「これをやれ」と言われたからやるという、ただ誰かの指示に従うだけの仕事の仕方です。

「これをやれ」の「これ」とは、「目的」ですか、それとも「手段」ですか? 「手段」だとしたら、「目的」は何でしょうか?

「目的」と「手段」を切り分けるとは、それをはっきりさせることです。

たとえば、「Aという商品の売上データをまとめてください」と指示されたとします。

この指示は、A商品の売上を把握するという目的のために行うのですか? それとも、その売上データを他社の競合商品のデータと比べて、新たな戦略を練るという別の目的がありますか? そのために、まずはA商品の売上データをまとめるという手段が必要だということでしょうか?

もし、A商品の売上データが、別の目的のために必要な手段であるなら、最終的な目的は何かも皆がわかるようにしておきます。

プロジェクトの立ち上げ時には、プロジェクトメンバー全員が「目的」と「手段」を明確に理解し、納得できるようにする必要があります。

そうすることで、全員が仕事に“腹落ち感”を持つことができて、自分から動こう、自分もアイデアを出そうという意欲を養えるからです。

そこで、今進んでいる仕事について、「自分自身が『目的』と『手段』の切り分けができているのか」「自分のチームのメンバー全員が『目的』と『手段』を認識し、納得しているのか。その認識は確かに全員揃っているのか」を意識するようにしましょう。

「ロジカルシンキング」と「フレームワーク」

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もしあなたが「自分は物事をロジカルに考えて整理するのはどうも苦手だな」と日頃から感じているようなら、「ロジカルシンキング」や「ビジネスフレームワーク」を勉強することをお勧めします。

先にも少し触れましたが、「ロジカルシンキング」とは、ビジネススキルとしての論理的思考のことです。1つの事象について矛盾がないように順序立てて考えたり、体系的に整理することを指しています。

また「ビジネスフレームワーク」とは、「ロジカルシンキング」の手法として、重複、モレ、ズレがないよう、事象を体系的に整理するためのロジックツリーや表などのツールです。

これを使うと、現状の把握や業務の具体的流れの可視化、課題の洗い出しなどが容易に行えるようになります。