コール・アウトとは、誰かが倫理的に一線を踏み越えたときに、そのことを即座にかつ棘のある言い方で当人に伝えることで、恥をかかせようとすることである。
コール・アウトの後にはしばしば倫理的な指図が続く。「○○をすべきだ」とか「○○はすべきではない」といったように。コール・アウトすること、とりわけ相手が深く考えを巡らせているときにそうすることは、ラポールを損ねる。
あなたの懸念を表明したいのであれば、もっと繊細な、時機をみたやり方を探ろう。多くの場合、相手は考えを表現するのに最善を尽くした[結果、不適切な発言をしてしまったのだろう]。
礼を失した発言についてコール・アウトするのではなく、当人が何を言わんとしているのか理解しようと努め、発言の意図は真正なものだったと認めよう、それがどれだけぶっきらぼうなものだったとしても。
もちろん、わざと失礼に振る舞ったり口汚い相手には、臆することなく立ちあがって、声をあげ、明確な線引きをする必要がある。そうしないのであれば会話を終えるまでだ。
「よろしくお願いします」「ありがとうございます」と言おう。加えて、誰かが反論を述べたり、あなたの意見に同意しないようなときにも、「ご意見いただきありがとうございます」と言おう。
あなた自身の経験を思い返して、話を聞くことの重要性を考えてみよう。夕食に招待したいのは次のどちらだろうか。
「なんでも」知っていて相手を説得しようとするばかりの人か、それとも、親身になってあなたの話に耳を傾け、会話に引き込んでくれ、話を聞いてくれていると感じさせる人だろうか。
熟練した聞き手を友人に持つという幸運に恵まれているのならば、どちらを夕食に招待すべきかはすでに明白だろう。
人は、話を聞いてもらえると深い満足を感じる。だから、良心と真心をもって話を聞くことによって受けられる見返りは莫大なものなのだ。
話を聞かなければ、相手を理解することはできない。相手を理解することができなければ、会話などというものは存在しない。
聞くことは見かけよりもずっと難しい。だから練習が必要である。会話する際には傾聴の態度を中心に臨むよう、できることをやろう。