●「こんにちは。Xと申します。お元気ですか?」
●「はじめまして。私はXです。お名前伺ってもよろしいですか?」
●「ここに来るのは初めてなんです。この場所のことはどこで見つけたんですか?」
こういったアイスブレイクのための質問のあと、ただちにラポール形成のための質問で相手の動機や関心を探ろう。
●「それが重要だとお考えになる理由を、もう少し伺ってもよいですか?」
●「そのことに興味を持ったきっかけは何ですか?」
●「休みのときはどんなことをして過ごしますか? 何か情熱を注いでいることはありますか?」(「普段お仕事は何をされてますか?」とは聞いてはならない。それでその人の真の関心事が分かることはほぼない。)
●「なんとお呼びすればよいですか?」
●「それについてはどこで知ったんですか?」
会話のパートナーとあなたの間には、数え切れないほどの共通点があるはずだ。例えば、どちらも柔術をやっている、寿司が好き、タトゥーがある、SFファン、もうすぐ子どもが生まれる、近所に住んでいる、政治的な問題意識が高い、等々。
もし会話が熱くなってしまったときには、こういった共通点があったことを思い出すことだ。サイコパスを除いて誰にでもあてはまる共通点の一つに、[何であれ]善きものを求めようとする感情がある。
あなたも会話のパートナーも、自分自身や友人、所属するコミュニティが最も善い状態になることを望むはずだ。最善の結果がどのような様相をしているかについては意見がわかれるかもしれないが、より善く生きること[という目的]は根本的な共通点の一つであるはずだ。
パラレル・トークとは、誰かが言ったことをあなた自身やあなたの経験に引きつけて語ってしまうことである。例えば、誰かがキューバから戻ったところだということを話しているときに、あなたがキューバに行ったときのことを話し始めてはならない。
その人がキューバで経験したことに耳を傾けよう。人の話を自分の話にしてはいけない。パラレル・トークはラポールを壊してしまう。
友情から信頼やオープン・マインドが醸成され、それが分断の間に架かる橋のように作用する。次の格言を思い出そう。「あなたがどれだけものを知っているかなど誰も気にかけない、あなたがどれだけ気にかける人なのか分かるまでは」。
この言葉で言われているのは、会話のパートナーのことを、そして会話のパートナーが気にかける色々なことを、あなたが気にかけているかであって、あなた自身の政治的・道徳的なこだわりについてではない。
焦ってはいけないし、「当て逃げ」のようなこともやめよう。他人の考えに深く関わる時間がないなら、できるときがくるまで取っておこう。会話で無理強いをしたり急かしたりすると、ラポールが損なわれてしまう。
もし時間が限られているのならば、そのときはラポール形成や近況報告のための時間にあてよう。
伯父が宗教や政治の話から離れないので親戚の集まりが台無しになった──こういう経験はあなたにもあるはずだ。その伯父さんのようになってはいけない。
会話が泥仕合のようになってきたら、よりカジュアルな別の話題に切り替えられるように準備をしておこう。会話が揉めそうな話題から一度離れたら、それを蒸し返すような人になってはならない。話題を強要してしまうとラポールは壊れてしまう。