こんにちは。つんく♂です。僕はこれまで、モーニング娘。をはじめとするヴォーカルユニットや数々のアーティストのプロデュースを務め、たくさんの作品を生み出してきました。
喉の病気をしたので、いまでは歌えませんが、現在は日々の作品づくりと、次世代のスターやクリエイターの応援に注力しています。
大阪でバンドを始めたアマチュア時代は、まだ学生でした。それから大阪で人気バンドになり、なんとかプロデビューできました。
今回は、そのとき僕らが、ただの地方バンドから、一歩抜け出して成功をつかむために実践したことについて、お話ししたいと思います。
アマチュア時代の僕らは、「自分たちはほかと違う、俺たちには才能がある」と思い込んでいました。
実際は、楽器やバンド練習もそこそこの、どこにでもいるような「凡バンドマン」だったんです。いま思えば、そんなヤツらが突然売れるわけがありません。
僕らがどんなにツッパっても、全国的に見ればファンも少ないし、技術もない。ライブハウスにも、テクニックあり系のバンドマンにも、見下されていました。
どうすれば、そんな状況を打破できるのか。僕らは考え抜いて、ある「ひとつの答え」にたどり着きました。
大阪でのアマチュア時代に僕らが考え抜いてたどり着いた答えは、「バンド活動は結局、ビジネスだよね」ということ。
「僕らレベルのバンドでも、ファンがたくさんいて、ライブハウスの動員力があれば、誰も文句は言わんだろう!」と開き直ったんです。
そこからはとにかく「動員力を上げること」を最優先しようと決めました。
「大阪のアマチュア界でいちばんの動員力を目指すこと」を目標にしました。そして「動員力が大阪でいちばんになるまで、コンテストやオーディションは受けないことにしよう」と決めたんです。
そうしないと、どこかで「一発逆転」を考えて努力しなくなるからです。「人気がなくても、コンテストで上位に入ってレコード会社から声がかかって即デビュー!」みたいな、甘いことを夢見てしまうからです。
そこで実行したのが、次のようなことです。