「いまの会社に不満がある」「自分の今後のキャリアが不安だ」と考えている人は、たくさんいます。
最新の「グローバル就業環境調査」(アメリカ調査企業・ギャラップ)によると、日本で「仕事満足度」を感じる従業員の割合は、わずか5パーセント。調査対象の145カ国の中で、イタリアと並び世界最低でした。
「会社を辞めたいけれど、報酬不安などから、辞められずにいやいや仕事をしている」
「会社都合でキャリアを無視した配置転換があるため、長年勤めていても、社外で通用するスキルが積めない」
といった悩みを抱えている人が多いのです。
こんな状況から脱する有効手段のひとつは、「成果を出せるスキル」を確立し、いつでも動ける(転職できる)人になることです。
とはいえ、
「自分に『成果を出せるスキル』が身についているのか自信がない」
「『成果を出せるスキル』の身につけ方がわからない」
と不安に思っているビジネスパーソンも、またたくさんいます。
「いまの社内では、どうしてもスキルアップは難しい……」ということであれば、外に向けて行動を起こしてみましょう。
たとえば、外部の「無料副業」で自分のスキルを試してみるのです。
最近、報酬はないけど経験を積めるという「無料副業」の人気が高まっています。
社会人が通常業務外で、新たに「成果を出せるスキル」を身につけるのは、容易ではありません。だからこそ、「経験を積ませてもらう」という目的で、無料での副業をするわけです。
無料副業は、新たなスキルを身につける「リスキリング」(学び直し)の一環だと言えます。
僕の知人Sさんも、実際に「無料副業」をテコにキャリアアップしました。
SさんはIT企業で、ウェブマーケティングを活用した「集客」の仕事に携わっていました。「将来は地方創生に関わる仕事をしたい」と考えているものの、いまの仕事は地方創生とはまったく関係のないものでした。
そこで地方創生に関する「無料副業」を始めたのです。
はじめは山梨県の某自治体の、観光客を増やすためのマーケティングをする「無料副業」に参加しました。
報酬はゼロなのに何百人もの人が応募してきて、受かるのは3~4人という人気ぶりでしたが、Sさんはウェブ集客のスキルを買われて採用されました。
Sさんはこの副業を通して、地方創生に関わる仲間とのネットワークを広げていきます。1年後には一定の成果を出すことができ、自分のキャリアに「地方創生マーケター」という「タグ付け」ができるようになりました。