趣味でインテリアを楽しんでいる人が、職場のデスク配置を任されたという話もあります。狙ってできることではありませんが、会社外の活動で得たことを「会社で有効活用できないか」と考えてみましょう。
会社が人を雇うのには、給与をはじめとするお金がかかります。皆さんが家計の節約を意識しているように、会社はできるだけコストをかけずに業績を伸ばし、生産性を高めようとしています。
家計なら自然にできていることでも、会社に対しては意外にこの「現実的な感覚」を理解できていない人がいます。とにかく上司に無茶な意見を言い、労力やコストがかかる現実離れした提案ばかりをして信用を損ねてしまう人もいます。
再び私の工場時代を例にしましょう。私は工場の倉庫で作業をしていました。倉庫は夏は40度の灼熱地獄。冬は0度まで気温の下がる過酷な場所です。当然、社員からは「空調を完備してほしい」という意見が出ていました。
しかし、空調設備の導入にはお金がかかります。設置場所も必要で、すぐには対応できません。そこで、現実的な提案の出番です。私が発起人となり倉庫作業する人への防寒具の購入を会社に依頼したところ、数週間で準備してくれました。
会社も受け入れやすく、周りの人も助かる――現実的な提案ができる、というのはそれだけでアピールポイントになるのです。
仕事には華やかなもの、地味なもの、面白いもの、面白くないものなど、さまざまなものがあります。ただ1つ言えるのは、どれも必要なものであるということです。
確かに華やかな仕事のほうが注目はされるでしょう。でも、与えられたことを丁寧に淡々とこなせるのは、すばらしい性格です。細かい仕事を淡々とこなしているあなたが休むと会社はどうなるでしょうか。
もし周りの人が困ってしまう状況が思い浮かぶなら、あなたが必要とされているということですよね。そんなあなたはすでに「できる人」になっています。