周りのほかの音が気になり電話に集中できない場合は、さすがに耳栓は難しいと思いますので、防音効果のあるパーテーション・衝立などを設置できないか、社内で相談することから始めましょう。通話音量を上げたり、電話応対していない側の耳を何かでふさいだりするだけでも効果が見込めます。
電話をしなくて済むような外に出る用事があったら、手を挙げてやらせてもらうのがよいでしょうし、電話応対が苦手だと周囲に明確に伝えてしまったほうが理解も得られます。
別の悩みとして、「独り言を言う人が近くにいて、仕事に集中できず悩んでいます」という相談も定期的に受けます。ぶつぶつ独り言を言い続ける人の近くでは、作業ははかどりませんよね。独り言に耐えるよりも、会社に席替えをお願いするほうが、効率も上がり、自分と会社のためになります。
刺激を気の持ちようで無視することは難しいものです。仕事には慣れも必要ですが、慣れる前に苦手意識のほうが強まってしまわないように、早めにこのような物理的対処をすることをおすすめします。
環境を整えたら、今度は他人の目から見て評価されるような行動を、淡々と実践していきましょう。今回ご紹介するのは次の3つです。
会社で評価を受ける人が必ず満たしているのが、職場の「需要」です。早朝の掃除など、あなたの仕事ではないことを頑張っても、周りは仕事の評価に結び付けてくれません。一方、困っている上司にあなたが声をかけて問題を解決したら、上司はあなたへの評価を上げるでしょう。あなたがごく自然にできる作業でも、砂漠における水のように、喉から手が出るほど求めている人や瞬間があるのです。
職場で人が困るタイミングには特徴があります。1つは仕事量が多い時。もう1つは、苦手な作業に着手する時です。周りの人をよく観察して、困っている人を見逃さずに手を貸してみてください。
困っている人の見極めのためには、普段から周りの人の苦手な作業を把握し、仕事上忙しくなる時期を覚えておくとよいでしょう。百戦錬磨の営業担当者でも、資料作成は苦手というケースは珍しくありません。誰かが突発的に休んでしまった場合も、人員不足から助けを求める人が出るものです。
不安や疲れは行動にも表れます。人は困ると頭を抱えるようなしぐさを取ったり、ため息が増えたりし、人によっては貧乏ゆすりの回数が増えます。これらも、人が困っているかを確認する判断材料となります。
現在職場にない、あなたが得意とするスキルを持ち込むことでも重宝される可能性があります。
私は10年ほど製薬工場に勤めていました。工場の仕事はフォークリフト運転のような技術が必要とされる体力仕事です。一方で、注意書きなどのポップ作成も必要なのですが、私のいた工場にはデザインのスキルがある人がおらず、貼られていたのはWordで「異物混入注意!」と明朝体の文字が書かれているだけのような、わかりづらいものでした。
私は過去にブライダルの現場でフォトグラファーをしていましたので、一定の画像加工とポップ作成のノウハウを持っています。この話を専務や工場長にしたところ、工場内の注意書き作成と工場のホームページ掲載用の写真撮影を依頼されました。
これらは私にしかできない仕事です。ほかの人は、どのくらい時間がかかるかもわからず、横から口を出すこともできません。だから私だけの仕事となり、自由に作業できるだけでなく、評価も上がっていきました。
デザイン系の会社にデザイン系のスキルを持ち込んでも重宝されません。職場で必要なのにその技術を習得している人がいない、というスキルを持ち込むことでこそ、高く評価される可能性があります。