つまり「学習したことが、時間を経ることで(=熟成、発酵)、その内容が高度化する」という現象が起こりうるのです。
これは寝ている間に脳内で記憶が整理され、その後の学習を促進させた結果です。ですからアイデアが欲しいときも、時間を置くことが重要なのです。
時間をかけることで脳が整理され、既存の記憶が有機的に組み合わさり、クリエイティブなひらめきが舞い降りてくれます。
また近年、「何もしていないぼうっとする時間」が、脳にとっては重要であることがわかってきました。そんなときでも脳は働いてくれているのだそうです。
そのような状態をDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)と言います。このDMNは、睡眠と同様に、脳内の情報整理の機能を持っているようです。
DMNが働くことにより脳内の情報が整えられ、蓄えられた情報同士が結びつきやすくなり、新しいアイデアが生まれやすくなります。
マンガでよく見る、「主人公の頭上で電球がパッと灯るシーン」。そんな超弩級のアイデア醸成に伴走してくれるのが、この「4分割シート」なのです。
まずは、第1~3象限までを書き込み、あえて第4象限は空白にしておきます。その状態で自宅の壁に貼っておいたり、畳んで枕の下に置いておいたり。お気に入りの本に挟んで、毎日のように見返したり。
どのような方法でも構いません。とにかくいったん距離を置いて、アイデアを熟成させます。
空白があると、人は自然とそこを埋めたくなります。
ひらめいたこと、気付きがあれば、それを第4象限に書き込んでください。
ともあれ、企画を出す際は「インスタントに数時間以内に答えなければいけないのか」、あるいは「数日間(数週間)の猶予があるのか」。その時間軸を見極めましょう。
前者であれば、SCAMPER法。後者であれば、A4・1枚「4分割シート」の活用をおすすめします。