Cさん:年の離れた上司から毎日のように嫌味を言われもう耐えられそうにありません。今の時代に、「客先に足繁く通って対面で会う回数を増やせ」と、オンラインでの商談を軽視しているんです。「まめに連絡を取りフォローしています」と言うと、「うちの会社は昔から対面でのコミュニケーション重視。これで俺も数十億の商談をまとめてきた」と……。
先生:価値観が合わないのですね。
Cさん:はい。今の仕事は好きなのですが……。体育会系で昔ながらの泥臭い営業しかできない、ITに疎い上司の下では、私は成長できない気がしています。「今度の異動でどこかに行ってくれないだろうか」と期待していましたが、それも叶わず。このまま毎日否定され、嫌味を言われながら働くのかと思うとつらすぎます。休みたい気持ちはあるんですが、そうすると上司にさらに嫌味を言われそうで……。
先生:なるほど、わかりました。先ほど体調や睡眠には大きな問題はないとおっしゃいましたよね。それなら今回の悩みですが、本当に上司のことだけが問題なのか、一度試しに俯瞰して見てみましょうか。
「もう耐えられない!」「つらい!」という気持ちにぶつかったとき、何はさておき休むのが効果的なのはお伝えしてきた通り。
しかし、いきなり休むという選択ができない人の場合、まずは一度状況を俯瞰してみましょう。ただこの俯瞰の作業ができるのは、1段階の元気なときだけです。Cさんはまだ基本的に1段階にあり、一時的に2段階に落ちているだけのようです。
その状態であれば、一人でもできる「7つの視点」で物事を客観的に見直す対処法を試してみるといいでしょう。
7つの視点は以下の通りです。
疲労がたまり、一時的にでも2段階に陥ると、イライラや悲しみなど感情があふれ、どうしても偏った思考に陥ってしまいます。7つの視点は、あえて、思考の偏りの逆方向から物を見てみるための視点なのです。
先生:ではまず、「自分」という視点で考えてみましょう。今回、Cさんは具体的にどんなところが嫌なのでしょうか。何がつらいのでしょうか?
Cさん:もちろん上司の態度が一番です。でも自分の気持ちをよく感じてみたら……。実は同期が先に役職をもらっているのですが、そのわりに働いていなくて結構ストレスなんです。それも全部上司のせいにしていたかも。